5人に濃度不足のワクチンを注射 神戸の集団接種会場、抗体検査で5人を特定へ

2021/05/17 21:14

接種を前に注射器に分けられる新型コロナウイルスのワクチン=神戸市中央区港島南町2、市立医療センター中央市民病院(資料写真)

 神戸市は17日、須磨区の新型コロナウイルスワクチンの集団接種会場で、5人に濃度が不足したワクチンを誤って注射したと発表した。16日午前中に起きたことは確認できたが、5人は特定できていない。健康への影響はないという。 関連ニュース ワクチンの大規模接種会場2カ所、兵庫県が開設へ 阪神と播磨地域 6月中旬から3カ月程度 ワクチン接種「フライング予約は不公平」 開始日前に一部の診療所が受け付け 明石でも 「ワクチン打つよう強制」看護師が断ると、病院は退職届へのサイン迫る 接種巡る労働相談相次ぐ

 市によると、16日午前、須磨区役所4階の集団接種会場で、薬剤師がワクチン入りの小瓶に薄めるための生理食塩水を入れ、注射器5本に抽出。その後、誤って少量のワクチンが残る同じ小瓶に再び生理食塩水を入れ、濃度不足のワクチンを5人に接種したという。
 同日午後4時半ごろ、別の薬剤師が接種回数に比べてワクチン入りの小瓶が1本多く余っていることに気付き、発覚した。濃度が足りないワクチンを接種した場合、ウイルスの抗体はできないという。
 同会場で同日午前中に接種したのは計105人。3週間後に実施する2回目接種時に抗体検査を行い、5人を特定するという。
 市は再発防止策として、ワクチンを抽出した小瓶の即時廃棄を徹底し、薬剤師同士のチェックを強化するとしている。
 同市では12日にもワクチン192瓶を誤って常温で保管するミスが発覚した。市健康局は「市民に心配と迷惑をかけて申し訳ない。二度とこのようなことがないようにしたい」と謝罪した。(三島大一郎)

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