「この旗見たらすぐに避難を」聴覚障害者ら命守る津波フラッグ 兵庫県内初導入

2021/05/19 19:00

津波発生を想定して旗を振る女性=たつの市御津町黒崎

 津波情報を視覚で訴える「津波フラッグ」が、兵庫県内で初めてたつの市御津町の新舞子浜に導入された。聴覚障害者や波の音でサイレンを聞き取りにくい海水浴客らの命を守るため、地元住民らが「いざ」に備える。 関連ニュース 津波で消息絶った妻 骨つぼに2人の店跡の砂入れた夫「来年にはけじめ」 聴覚障害の男性、同じ障害の女性から2400万円詐欺被害「同じ境遇の人を信頼しやすい」 切ない思いを伝えたい!映画「夏の光、夏の音」たとえ目が見えなくても耳が聞こえなくても

 津波フラッグは、聴覚障害者への情報伝達が課題となった東日本大震災を踏まえ、気象庁が昨年6月に指定した。デザインは赤と白の格子柄で、縦131センチ、横162センチ。全国各地の海水浴場などで配備が進む。警報などが発令されれば、地元の担当者が危険の及ばない範囲で旗を掲げ、避難を呼び掛ける。
 発生が警戒される南海トラフ巨大地震で、たつの市では最大2・3メートルの津波が2時間後に到達すると想定されている。新舞子観光協同組合の妻鹿美章(めがよしあき)理事長(62)は「この浜では絶対に被害者を出さない。そのための準備を常日頃からしておきたい」と話した。(大山伸一郎)

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