神戸マラソン2年連続中止へ 医療状況悪化、救護スタッフ確保できず
2021/05/31 05:00
街角を駆け抜けるランナー=2019年11月17日、神戸市中央区
神戸マラソン実行委員会は30日までに、新型コロナウイルス感染の状況などを踏まえ、11月21日に予定していた第10回大会(神戸新聞社など共催)の開催を断念する方針を決めた。中止は2年連続。3月に開催方針を発表していたが、コロナ感染の第4波で神戸市内の医療状況が悪化しており、救護スタッフなどを確保できないと判断した。
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6月10日に予定していたランナー募集開始の前に、開催を取りやめる方針を決めた。神戸マラソンは例年11月に約2万人のランナーが参加し、神戸市内を巡る42・195キロのコースなどを走る。毎回700人程度の体調不良者が出るため、救護所など約20カ所で医師約50人、看護師120人が対応するほか、学生ら約7千人も運営ボランティアとしてランナーを支える。
今年はコロナの感染拡大による医療の逼迫(ひっぱく)やワクチン接種の本格化で、医療従事者の確保が困難という。学生ボランティアも、大学がオンライン授業を続けている状況で募集するのは難しいと判断した。また感染力が強いとされるコロナの変異株に、大会で従来の防止策が通用しない恐れがあることも考慮した。
昨年は11月に三木市でアスリートを招いた代替イベントを開いたが、今年は未定。大会は、来年11月に開催する場合も、節目の「第10回大会」とする。
秋に開催される国内の主要大会では、東京マラソン(10月)や横浜マラソン(同)がランナーの募集を始め、茨城県つくば市のつくばマラソン(11月)は中止を決めている。(古根川淳也)