古い布団生地からポーチや財布 神戸に雑貨店オープン「懐かしさ感じてもらえたら」
2021/06/05 14:25
そういえば昔、こんな柄の布団で寝てたっけ=神戸市中央区多聞通4
レトロでポップな布小物クリエーターのりんごさんが、アトリエ兼店舗「りんご雑貨店」を神戸市中央区多聞通4にオープンした。古い布団生地から作りだす雑貨類のほか、長年集めてきた懐かしいアニメキャラのグッズもずらり。昭和文化の愛好家にはたまらない新スポットだ。
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りんごさんは神戸・元町にあったレトロ雑貨店「猫まま屋」で7年間修業。結婚や出産を機に一時、創作活動から離れたが、5年前から「りんご雑貨店」として、神戸・阪神間のイベントなどに出展していた。
店を構えるきっかけは昨春、お笑いコンビ・アキナの番組にゲスト出演したことだった。ボケ担当の山名文和さんから「自分のことを『俺』じゃなく『僕』と言ってた頃に戻れるような作品」と褒められ、背中を押された。その時に山名さんから贈られた「僕」の筆文字は店の壁に飾ってある。
作品はポーチや財布、トートバッグなど多彩。生地は、昔の子ども用布団に使われていた年代物の在庫を仕入れているという。野球を楽しむ子犬、お手伝いをするウサギ、森で音楽会を開くクマ…。物語性のある絵柄は何とも愛らしく、「おばあちゃんの家に来たような懐かしさを感じてもらえたら」とりんごさん。
ほかに、昭和のアニメ「鉄腕アトム」「魔法のマコちゃん」「Dr.スランプ アラレちゃん」や、子ども番組「ロンパールーム」などのキャラクターが描かれた食器や玩具も並ぶ。奥のアトリエスペースにはミシンを備え、製作風景も見られる。
「一目ぼれだった」という場所は近年、こだわりのカフェやスイーツ店が集まる湊川神社の西エリア。りんごさんは「昭和の風情が作品の雰囲気にぴったり。コロナ禍の中での開店になったけれど、皆さんと一緒に街を盛り上げていきたい」と夢をふくらませる。
電話はなく、インスタグラム(ringozakkaten)で開店日や新作の情報を公開している。(平松正子)