養鶏業者が許可なく農地に鶏舎設置 臭気や騒音で地元とトラブル 兵庫県が是正勧告

2021/06/15 22:05

記者会見する桑原自治会の関係者や住民ら=丹波篠山市役所

 兵庫県丹波篠山市農業委員会の許可なく農地に鶏舎を設置、農地法違反などがあったとして、同市桑原の養鶏業者「高坂鶏農園」に、県が原状回復などを求める是正勧告を出していたことが15日、分かった。同日、市が発表した。同農園を巡っては、臭気や換気扇の騒音などで地元の桑原自治会とトラブルになっている。 関連ニュース 飼料用トウモロコシ、収穫量7倍に 栽培2年目で課題克服 加古川の養鶏業者と営農会社 輸入品の代替目指す <75分の1の隣人 たじまの在留外国人>(5)養鶏会社社員 長く住みたいすてきなまち 夢は古民家カフェ 大阪から淡河町へ移住、池尻さん一家 養鶏、野菜栽培に奮闘<北区 推し担出稿> 

 勧告書は11日付。それによると、県は農地回復の期限を来年12月11日までと設定。その間は鶏舎の臭気など、周辺環境に支障がないよう努めることを求めている。
 同委員会が昨年10月、鶏舎を撤去し農地に復元するよう勧告。実行されなかったため、同11月、県知事へ報告した。さらに、市は今年1月、市環境保全条例に基づき施設名などを公表していた。
 桑原自治会の関係者らは会見で「一歩前進」「やっと勧告が出た。真摯(しんし)に受け止め、一刻も早く移転してほしい」などと話した。高坂鶏農園は「勧告書はまだ手元に届いていない」としている。
 同農園と地元住民の間では県公害審査会の調停も行われている。(堀井正純)

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