ワクチン非接種の人への差別禁止 明石市が条例改正へ
2021/06/18 21:40
明石市役所=明石市中崎1
兵庫県明石市は18日、新型コロナウイルス感染者らへの差別禁止を定めた条例に、ワクチンを受けていない人への差別禁止を盛り込む方針を発表した。12歳以上の若年層を含む接種の加速が見込まれる中、懸念される差別やいじめに対策を講じる。市によると、ワクチン非接種者への差別を禁じる条例は全国的に珍しいという。
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条例は今年3月に施行。新型コロナ感染者やその家族、医療従事者らの差別的扱いなどを禁じてきたが、新たに対象を加える。
同条例は、差別の禁止について罰則や義務はない。市が差別された人や家族から相談を受け、行為者を調査・指導し、必要な支援や措置を講じる。誹謗中傷が会員制交流サイト(SNS)に書き込まれた場合、市が本人に代わりSNS運営会社に削除を求める。
市は今後、パブリックコメントで市民から意見を募り、市議会に条例改正案を提出する予定。
同市は小中学生のワクチン接種について、打ちたくない子どもや、アレルギーなどの理由で打てない子どもへの差別につながるとして、学校での集団接種は行わない方針を示している。
泉房穂市長はこの日の会見で「ワクチンは本人の意思で接種するもの。強制ではない」とし、「中高生などで、大半が打っているのに打てなかったり、打つのをためらったりする人がのけ者にされるのが心配。条例改正は学校現場での対応に影響を与えられると思う」と述べた。(長尾亮太)
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