修理のため預けていた車が高潮で水没 保管のガソリンスタンド業者に賠償命令 神戸地裁

2021/06/25 05:30

神戸地裁=神戸市中央区橘通2

 2018年9月の台風21号による高潮で、修理のため預けていた乗用車が水没したのは保管していたガソリンスタンドの責任として、神戸市の50代の男性が損害賠償を求めた訴訟で、神戸地裁が24日までに、同市東灘区でガソリンスタンドを経営する会社に150万円の支払いを命じていたことが分かった。 関連ニュース 男と信じて婚約したら女性だった 偽ったと賠償命令 同性事実婚も不貞行為に慰謝料 「裸踊り」強要、町と和解 元消防士パワハラ訴え

 判決は22日付。高橋綾子裁判官は「高潮を含め、甚大な被害をもたらす可能性が高いと繰り返し報道され、被害に遭う可能性は予見できた」とし、注意義務違反を認め、男性が求めた全額の賠償を命じた。
 判決などによると、ガソリンスタンドは同区深江浜町の人工島にあり、海から約100メートルに位置している。原告の男性は18年9月1日、外国車の板金修理を依頼し、保管も委ねた。台風21号は同月4日午後2時ごろ、神戸市付近に再上陸。従業員らは同日午後1時半ごろ、店を閉めて退社したが、通常の営業終了時と同様に車の保管庫のシャッターを閉じただけだった。
 店側は保管庫のシャッター前に土のうを積んだり、車のマフラーに浸水カバーを取り付けたりはせず、保管庫は高潮で約70センチ浸水し、車は走行不能になったという。高橋裁判官は店側に「被害を想定し、対応する時間的猶予もあった」と指摘した。

神戸新聞NEXTへ
神戸新聞NEXTへ