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映画「なんのちゃん」の一場面(C)
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映画「なんのちゃん」の一場面(C)
「淡路島の方々の生き生きとした様子をスクリーンに焼き付けられた」と話す河合健監督=東京都千代田区、神戸新聞東京支社
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「淡路島の方々の生き生きとした様子をスクリーンに焼き付けられた」と話す河合健監督=東京都千代田区、神戸新聞東京支社
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笑顔で撮影を振り返る西めぐみさん=洲本市内
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笑顔で撮影を振り返る西めぐみさん=洲本市内

 全編が淡路島で撮影された映画「なんのちゃんの第二次世界大戦」(河合健監督)が、10日から元町映画館(神戸市中央区元町通4)で1週間限定で公開される。主人公の市長を演じるのは名バイプレーヤーの吹越満。架空の町を舞台に、太平洋戦争の平和記念館設立を巡って巻き起こる市長と戦犯遺族の攻防を描く。何が事実で、悪いのは誰なのか-。31歳の河合監督から見た現代と戦争の距離感をあぶり出した意欲作だ。

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 河合健監督と淡路島との出合いは運命的だった。劇中で鍵となる石材店を求めて関東や関西を車で探す中、たどり着いたのが南あわじ市の石材店。田園風景の中にあるガレージのような店舗と、その奥に家の玄関があるという入り組んだ構造が「映像的に面白いと思った」と振り返る。

 さらにロケ地探しを通じて島民と触れ合い、その優しさに胸を打たれた。「一緒に映画を作りたい」とオール淡路島ロケに臨んだ。

 物語は平成最後の年。平和記念館設立を目指す関谷市の市長・清水昭雄(吹越満)の元に、記念館の設立中止と反戦を唱えた清水の祖父を許さない、という怪文書が届く。清水は送り主である、戦犯遺族で石材店を営む南野和子(大方斐紗子)に抗議に出向くが、相手にされない。そこから南野家との攻防が始まる。

 映画では、登場人物が「本当に悪いのは誰なのか」と問い掛けてくる。政治家と戦犯遺族、立場が変われば見え方も変わる。河合監督は「上から目線で『戦争やめろ』と叫ぶのではなく、下から目線で作りたかった。昔のことに対する訳の分からなさや、あやふやさをそのまま描いた」と話している。(今福寛子)

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 淡路島の住人約130人が出演する中、南あわじ市の小学5年、西めぐみさん(10)が重要な役どころで出演している。河合健監督や主演の吹越満が、その生き生きとした演技を絶賛。西さんは「そんなに緊張しなかった」と初めての撮影を振り返り、「たくさんの人に見てもらえたらうれしい」と目を輝かせる。

 西さんは、大方斐紗子演じる南野和子のひ孫マリを演じた。演技は初挑戦ながら、せりふも多く、要所要所でストーリーを動かす大切な役だ。

 もともと、吹越が出演する刑事ドラマのファン。今回、吹越主演の映画制作にあたり、島内からエキストラを募ることを知った祖母に勧められ、オーディションに臨んだ。「受かるかな、どうかな…と不安だったけど、合格と聞いてびっくりした」と笑顔を見せる。

 島内各地で行われた撮影で、印象に残っているのは、池でほかの子役ともみ合いになり、溺れかけるシーン。映画終盤、高齢者施設で繰り広げられる奇想天外な場面もよく覚えている。

 河合監督は「一番難しい役柄だった。でも、結果的に全て一発でオッケー。本番になると現地の人は緊張するけど、彼女は緊張しない。一番生き生きと動いていた」と語る。吹越も「現場でのたたずまいは彼女が一番プロだった。素人であることを忘れていた」と高く評価したという。

 幼い頃から続けるダンスで培った舞台度胸も生きた。西さんは「監督からはゆっくり間を取って話すように言われた。他のみんなも頑張っているから、迷惑を掛けないようにいい演技をしようと思った」と話す。

 将来の夢は「ミュージカル女優になるか、刑事ドラマに出ること」。出演を通して、演技への興味を深めた淡路島の“原石”が、その表現力を磨き続ける。(上田勇紀)

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