総合 総合 sougou

  • 印刷
長女の幸恵さんへの思いを語る津田伸一さん=加古川市
拡大
長女の幸恵さんへの思いを語る津田伸一さん=加古川市
津田幸恵さん
拡大
津田幸恵さん
千羽鶴を折り続けてきた高橋喬造さん=神戸市須磨区(撮影・鈴木雅之)
拡大
千羽鶴を折り続けてきた高橋喬造さん=神戸市須磨区(撮影・鈴木雅之)
高橋博行さん
拡大
高橋博行さん

 2019年7月、36人が死亡した京都アニメーション放火殺人事件は18日で発生から丸2年となる。平成以降の殺人事件で最多の犠牲者を出した事件は、殺人や現住建造物等放火などの罪で無職青葉真司被告(43)が起訴された。兵庫県内に住む遺族も、亡き娘や息子の姿を思い、自問自答を重ねている。

■犠牲になった津田幸恵さんの父「区切りあるはずない」

 「いつもと同じ。特別な感じはない」。事件発生から2年となるのを前に、彩色や特殊効果の担当だった長女津田幸恵(さちえ)さん=当時(41)=を亡くした父伸一さん(71)=加古川市=は、そう話す。遺品はほとんど処分した。「(幸恵さんを)思い出すことも少なくなった」と言うが、取材には親思いだった娘について、とつとつと語った。

 幸恵さんは4人きょうだいの中でも、とりわけ頼りになった。伸一さんは事件の前年、妻も病気で亡くした。幸恵さんは生前、母親を案じ、車椅子でも乗れる介護用の車を買いたい、と伸一さんに相談したという。

 「『こっち(実家)でも仕事できるよ』って。初めは聞き流していたけど」。幸恵さんは加古川に戻り、仕事と母親の介護を両立させるつもりだったようだ。その少し前には、多忙な中、運転免許を取得。だが直後に母親が亡くなり、同居は実現しなかった。

 事件後、遺品の整理で見つけた幸恵さんの預金通帳には、車の購入額を優に超す金額が記されていた。「本気だったんでしょう。自分で(貯金を使って)遊べば良かったのに」。伸一さんは声を震わせる。

 最後に事件への思いを聞くと、「毎年、毎年、毎年過ぎていく。区切りなんてあるはずないでしょう」。その上で「ああいう死に方をしたというか。やっぱりむごいからね。そういうのは思い出したくない」。(千葉翔大、若林幹夫)

     ◇     ◇

■犠牲になった高橋博行さんの父「夢に向かって努力してた」

 犠牲になった次男の高橋博行さん=当時(48)=を思い、毎日、千羽鶴を折り続けてきた喬造(きょうぞう)さん(78)=神戸市須磨区。今年は初めて、犠牲者と同じ数の36羽の折り鶴を束ね、18日に事件が起きた京都市伏見区の現場に届ける。

 「仲良くしてもろたと思うんで、一緒にしてあげたい」。1羽ずつに名前と生年月日を書き、「入社1年目の人もおった。博行は年齢的に上の方やな」と職場の様子を思い浮かべた。

 今年の正月、博行さんの昔なじみからの年賀状で、博行さんが中学生の頃からアニメの道を志していたと知った。「夢に向かって努力してたんや。どんなことしたかったんやろ」。写真でほほえむ博行さんに涙がこぼれる。

 36羽の折り鶴を見つめ、「なんでこんなたくさんの人が…」とこぼす。公判を待つ青葉被告に聞きたい。これだけの被害者を出して、今もやけどに苦しんでいる人もいて、あなたもやけどに苦しむ中、少しでも被害者の気持ちが分かりましたか-。高齢で体調が優れない時もあるが「裁判は傍聴したい」と話す。

 喬造さんは「孫のために」と、現地に記念碑ができることを望む。博行さんの2人の子どもにいつか、「お父さん、ここで働いていたんやで」と誇らしく伝えたいと願う。(小谷千穂、名倉あかり)

神戸東播
総合の最新
もっと見る
 

天気(9月19日)

  • 29℃
  • 22℃
  • 10%

  • 27℃
  • 21℃
  • 20%

  • 29℃
  • 23℃
  • 10%

  • 30℃
  • 22℃
  • 10%

お知らせ