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生前の活躍を記した雑誌の記事を見ながら、息子の武本康弘さんを思い返す父保夫さん(左)と母千恵子さん=赤穂市加里屋(撮影・大山伸一郎)
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生前の活躍を記した雑誌の記事を見ながら、息子の武本康弘さんを思い返す父保夫さん(左)と母千恵子さん=赤穂市加里屋(撮影・大山伸一郎)
武本康弘さん
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武本康弘さん

 2019年7月、36人が死亡した京都アニメーション放火殺人事件は18日で発生から丸2年となる。平成以降の殺人事件で最多の犠牲者を出した事件は、殺人や現住建造物等放火などの罪で無職青葉真司被告(43)が起訴された。兵庫県内に住む遺族も、亡き娘や息子の姿を思い、自問自答を重ねている。

■犠牲になった武本康弘さんの父・保夫さん(78)=兵庫県赤穂市=

 京都アニメーション放火殺人事件で犠牲となった、赤穂市出身のアニメーション監督武本康弘さん=当時(47)=の父保夫さん(78)が、事件発生から2年を前に神戸新聞社の取材に応じた。野菜作りで気を紛らわせるが、「たとえ被告が裁判で極刑になっても(息子が帰らない)現実は変わらない」。喪失感と向き合う日々は続いている。

 康弘さんの妻子と分けたお骨は、赤穂の実家で手作りの仏壇に置いている。妻千恵子さん(72)を思ってのことだ。仏壇には「人にやさしく 心豊かに おしまれて死す」と保夫さんが刻んだ文字がある。昔、新聞か雑誌で見て気に入り、コピーして子どもたちに贈った言葉だった。康弘さんも額に入れて京都の自宅玄関に飾っていた。

 長男だった康弘さんは、1歳下の次男と正反対の性格だった。運動好きの次男に対し、康弘さんは好んで本を読み、絵を描いた。夢中になると没頭し、夏休みの終わりに慌てて宿題をするのが常だった。得意な絵を描き続けた結果、京都アニメーションを代表する表現者に。人気アニメ「らき☆すた」などの監督を務め、同社の取締役も担った。

 保夫さんは70歳の頃から畑で野菜を育てる。「種をまいた後、けなげに芽が出るとうれしい。気を紛らわせることができる」

 あの日、康弘さんは屋上へ続く階段で約20人が折り重なる中、その外側に倒れていた。「若い社員らが先に逃げるのを待ったのではないか。責任感が強かったから」と保夫さん。「『おしまれて死す』の言葉通りになるとは…」と声を詰まらせた。(坂本 勝)

西播
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