総合 総合 sougou

  • 印刷
兵庫県庁=神戸市中央区下山手通5
拡大
兵庫県庁=神戸市中央区下山手通5

 旧優生保護法(1948~96年)の下、障害者ら約2万5千人に不妊手術が施されたが、国の救済法に基づく一時金(320万円)の支給は全国で918人、兵庫県で17人(6月末日現在)にとどまっている。救済法施行から2年余り。対象者が根強い障害者差別を恐れており、救済とはほど遠い現状を示している。(那谷享平、小谷千穂)

 国は支給対象者を1万2千人と推計するが、実際の支給はその7・65%。兵庫県は障害者施設など約6千カ所に文書を配布し、被害者の掘り起こしを図るが、これまでに寄せられた相談は70件余りという。

 障害者差別を受けた経験から手術を受けたことを隠したり、知らされないまま手術を受けたため被害自体を認識していなかったりする可能性がある。また、意を決して申請しても、手続きの過程で再び傷つけられる事態を懸念する声もある。

 神戸市垂水区の女性(60)は聴覚障害があり、29歳の頃に不妊手術を受けた。被害を知ったのは2017年。悩んだ末に一時金の申請を決めたが、手術痕に関する診断書の作成を医師が拒否。女性が記録を持っていないためか、「うそだったら(診断書は)偽証になる」と言われた。弁護士が医師に国の制度を説明し、ようやく診断書が出たという。

 女性の申請を手伝った社会福祉法人理事長、大矢暹(すすむ)さん(73)=兵庫県洲本市=は「不妊手術で傷ついた被害者が、救済制度を利用することでまた傷つけられている。行政側の配慮が足りない」と憤る。県に対し、救済法の周知や病院紹介制度の導入などを求めている。兵庫県の専用相談窓口TEL078・362・3439

 一方、給付額が「被害の大きさに見合わない」といった批判も上がっており、全国各地で国家賠償を求める訴訟が起きている。8月3日には神戸地裁で判決が言い渡される。

【強制不妊手術の救済法】旧優生保護法は、知的障害や精神疾患、遺伝性疾患のある人への不妊手術を認めていた。救済法は2019年4月に成立し、即日施行。手術記録がなくても本人や家族の証言などを踏まえ一時金320万円の支給の可否を判断する。請求期限は施行から5年。

【連載】国家の過ち 兵庫・強制不妊国賠訴訟(上)

総合の最新
もっと見る
 

天気(9月26日)

  • 26℃
  • ---℃
  • 40%

  • 27℃
  • ---℃
  • 40%

  • 27℃
  • ---℃
  • 40%

  • 25℃
  • ---℃
  • 50%

お知らせ