発祥の地は神戸 製品検査不正の三菱電機 創業100年の節目に暗い影

2021/07/02 22:10

神戸市中心部=2020年8月撮影

 三菱電機は1921(大正10)年2月、三菱造船(現三菱重工業)神戸造船所の電機製作所が独立して神戸・和田岬で発足した。こうした経緯から、自社内で主要生産拠点と位置付けられる「製作所」は全国22カ所のうち、兵庫県内に9カ所と4割を占める。大規模な検査不正は、創業100年の節目に暗い影を落とす形となった。 関連ニュース 経産相、三菱電機に原因究明指示 検査不正で 三菱電機が偽装プログラムを使用 架空データを自動作成、常態的か 検査不正、JR・私鉄に影響拡大 三菱電機の対象空調機器を導入

 三菱電機は創業の地である神戸に、タービン発電機を製造する電力システム製作所や神戸製作所を構える。東京に本社を置く大手企業ながら、新型コロナウイルス禍以前の2019年まで入社式は神戸で開いていた。
 尼崎市には鉄道車両用電機品の伊丹製作所のほか、社内で最大の先端技術総合研究所を置く。姫路市の姫路製作所は、自動車用部品や自動運転の関連機器を開発、製造している。2日の会見で引責辞任を表明した杉山武史社長は姫路製作所で20年超の勤務経験がある。
 県内の拠点では昨年12月、三田製作所(三田市)で過去3年間にわたり、基準不適合のカーラジオ受信機を出荷していたと公表。19年8月には生産技術センター(尼崎市)の20代男性新入社員が、教育主任の社員からパワハラを受けて三田市内で自殺した。(高見雄樹)

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