五輪事前合宿、海外選手が初の兵庫入り 東京→豊岡、コロナ対策でバス移動10時間超

2021/07/02 22:50

10時間以上の移動を終え、ホテルに到着したドイツのボート選手団=2日午後、豊岡市城崎町湯島(撮影・吉田敦史)

 兵庫県豊岡市の城崎温泉周辺で事前合宿するドイツのボート選手団39人が2日、現地入りした。東京五輪に向けて海外選手の来日が本格化する中、県内では一番乗りとなった。前日、東京・羽田空港に着いた選手らは、新型コロナウイルス感染を防ぐため、貸し切りバスを使って移動。これから約2週間、城崎温泉街のホテルに滞在し、近くの円山川のコースで練習しながら23日の五輪開幕に備える。(石川 翠、上杉順子) 関連ニュース 【写真】住民らに歓迎されるボートのドイツ選手団を乗せたバス 五輪観客上限1万人 勝田教授憤る「医療者の意見ないがしろに」 ワクチン供給不足 7月前半、希望の半分以下 接種日程延期も 兵庫県内市町

 ドイツ選手団は、大型バスで東京まで迎えに行った豊岡市職員とともに、2日午後6時半ごろ到着。城崎温泉の大きな魅力である「外湯巡り」ができない代わりに、ゆっくりと走行するバスの中から、国旗をあしらった横断幕や歓迎ののれんが掲げられた温泉街の町並みを楽しんだ。
 道沿いで手を振って歓迎する旅館の宿泊客や従業員も多く、選手たちはバスの窓から手を振ったり、「ありがとう」と声を掛けたりして応じた。
 ホテルに着くと、この日10時間以上の移動を終えた選手たちは、それぞれの部屋へ。随行した豊岡市職員は「さすが強豪チーム。リラックスして、遠征慣れしている様子だった」とした。
 ホテル内は、フロアを貸し切りにし、エレベーターも選手たち専用にして動線を分けるなど工夫しており、一般客と接触することはないという。
 午後7時すぎから歓迎式が催され、豊岡市の関貫久仁郎市長が、地場産業のかばんの廃材で地元高校生が手作りした記念品などを選手らに贈った。
 チームの代表は「コロナ対策にも万全を期していただき安心。私たちも慎重に行動する」と話していた。
 既に先発隊が現地入りしており、3日以降は、円山川城崎漕艇場や城崎ボートセンターで、ボートをこいだり、マシンを使ったトレーニングをしたりする予定。ホテルから練習場所への移動にはバスを使い、一般の立ち入りは禁止される。PCR検査も毎日受ける。
 海外選手の入国は7月に入って急増し、1~4日に約400人が来日する予定。兵庫県ではドイツのボート選手団を含め7カ国7競技の選手団が、事前合宿のため順次、計6市に入る。
■海外選手の「陽性」判明、どう対応する? 
 ウガンダの選手団など東京五輪参加のため来日した関係者で相次いで新型コロナウイルスの陽性が判明している。事前合宿で兵庫県を訪れる海外選手らの陽性が分かった場合、どう対応するのか。マニュアルを定めている県に聞いた。
 入国時に空港の検疫で陽性が確認されれば、本人は近くの施設で療養する。飛行機内で座席が近かった人は、専用バスで受け入れ自治体に移動。保健所が同じチーム内の濃厚接触者を調べ、該当者は滞在先のホテルか選手専用の宿泊療養施設で2週間隔離される。
 無事入国しても、選手らは唾液によるPCR検査を毎日受ける。陽性が出た場合は医師が診察し、2度目のPCR検査で再び陽性が出れば「確定」になる。
 陽性者が無症状や軽症であればホテルか施設で療養し、中等症以上なら入院する。その後「症状軽快後、2回のPCR検査で陰性を確認」といった条件を満たせば隔離を解除。練習を再開し、五輪に出場することもできる。(古根川淳也)

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