苦情総数、過去10年で最多 20年度県消費生活センター コロナ関連相談3679件

2021/07/09 10:50

神戸新聞NEXT

 新型コロナウイルス感染拡大に伴い、関連する商品や契約などについての相談が、2020年度、兵庫県内の消費生活相談窓口に計3679件寄せられたことが分かった。この影響で、相談の合計件数が5万1601件(前年度比10・1%増)、うち苦情相談が4万4761件(同11・2%増)と、共に過去10年で最多になった。県立消費生活総合センター(神戸市中央区)がまとめた。(貝原加奈) 関連ニュース テレビショッピング相談の8割弱 70歳以上が占める、24年度 美容トラブル相談過去最多、5年で4倍に 県内24年度377件、4割が若者 脱毛サロン倒産増「返金ゼロ」 サイト表記は「1980円~」→実際の請求額は「5万円」! ? 急増するロードサービス高額請求トラブル、対処法は

 同センターによると、コロナ関連の相談では、「注文した覚えのないマスクが届いた」など、保健衛生品関連の相談が最も多く、千件を超えた。コロナ禍を受けての解約や返金に関する相談も目立ち、スポーツジムなどの教室・講座関連(320件)▽国内海外旅行関連(287件)▽冠婚葬祭関連(180件)-が多かった。
 また、持続化給付金など給付金に関する相談も181件寄せられた。「市役所の職員を名乗って預金口座やクレジットカードの番号を聞かれた」など、メールや電話で個人情報を詐取しようとするケースもあり、同センターが注意喚起している。
 インターネット通販の苦情も増加し、苦情相談の約31・5%を占めた。特に、健康食品や化粧品などの定期購入トラブルが目立つという。出会い系サイトや「高額収入を得られる」とノウハウを得るための商材を購入させられた例も。同センターは「(コロナ禍の影響で)外出自粛中、ネット検索やネット通販利用が増え、幅広い年代で消費者トラブルが増加した」と分析する。
 苦情相談者を年代別でみると、60歳以上が39%と最も多いが、10~30代の苦情件数も増加傾向にあるという。同センターは「クーリングオフできるケースもあり、できるだけ早くセンターに相談してほしい。ネット通販はクーリングオフ制度がないので申込時に十分注意を」と呼び掛けている。

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