不整脈の薬を誤って過剰投与、透析の80代女性が死亡 西宮病院
2021/07/09 20:35
神戸新聞NEXT
兵庫県立西宮病院(西宮市)は9日、腎不全と発作性心房細動の合併症がある80代の女性患者(県内在住)に対し、担当医が不整脈の薬を過剰投与したため、5月下旬に女性が死亡したと発表した。
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病院によると、女性は入院前から週3回の透析を受け、心臓の治療で抗不整脈薬「アプリンジン」を処方されていた。5月中旬、自宅で転倒して太ももを骨折して入院。持参したアプリンジンを病院が扱っていなかったため、担当医から代わりの抗不整脈薬「ピルシカイニド」を処方され、入院4日目から服用した。
ピルシカイニドの通常量は1日150ミリグラム。透析中は大幅に減らす必要があるが、担当医が薬の添付書を十分に読まず、通常量を処方していた。女性は入院10日目に死亡リスクの高い不整脈「心室頻拍」に陥り、翌日夜に死亡した。
会見した野口真三郎院長は「患者の情報を共有する手順がルール化されておらず、担当医のミスと組織的なエラーが重なった」と説明。遺族に謝罪し、再発防止に努めるとした。(山岸洋介)