故郷に錦、高田賢三さん遺作の緞帳お披露目 アクリエひめじ完成記念式典
2021/07/10 12:10
故高田賢三さんがデザインを手掛けた緞帳が公開された=10日午前、姫路市神屋町(撮影・大山伸一郎)
JR姫路駅東で9月に開館する姫路市文化コンベンションセンター「アクリエひめじ」の完成記念式典が10日、開かれた。2千人規模のホールや大規模展示場を備えた施設は、兵庫県西部で最大規模となり、新たな文化・交流拠点としての役割が期待される。式典では姫路出身の世界的デザイナー、故高田賢三さんがデザインを手掛けた緞帳もお披露目された。
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アクリエは、老朽化した市文化センター(同市西延末)に代わる播磨の芸術文化拠点として、JRの車両基地だった用地で2018年10月に着工された。
地上5階、地下1階で延べ床面積は約2万9千平方メートル。約2千席の大ホールなど三つのホールや約4千平方メートルの展示場、会議室10室を備える。総事業費は約400億円。6月下旬から兵庫県の新型コロナウイルスワクチンの大規模接種会場として使用されている。
ホールの緞帳は、高田さんが18年に姫路市や地元企業から依頼を受け原画を制作。太陽とシャクヤクの花に世界文化遺産・国宝姫路城を加えた鮮烈なデザインで、京都の織物会社が500色以上の糸で再現した。
だが、高田さんは完成品を見ることなく、20年10月に新型コロナウイルス感染症のため81歳で急逝した。
式典では遺作となった2枚の緞帳のうち、大ホール用(幅22メートル、高さ12メートル)が公開された。白と黄色の鮮やかな緞帳が披露されると、市民ら約900人から大きな拍手が起こった。姫路出身の演歌歌手、丘みどりさんもビデオメッセージで完成を祝った。
アクリエは9月1日の開館から24年3月までを「オープニングシリーズ」とし、舞台やコンサートなど多彩なイベントを展開する。MICE(マイス)と総称される国際会議や展示会の誘致も推進し、地域の活性化につなげる。(地道優樹)