明石市がアスベスト相談窓口を開設 石綿の健康被害者を支援
2021/07/12 21:15
明石市役所=明石市中崎1
阪神・淡路大震災のがれき処理でアスベスト(石綿)を吸い込むなどした健康被害者の増加が懸念される中、兵庫県明石市は12日、石綿被害者向けの相談窓口を開設すると発表した。石綿被害者の支援制度について、自治体がワンストップの相談窓口を設けるのは全国でも珍しいという。
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アスベスト健康被害者の支援制度には、石綿を吸い込む作業に従事した人を対象にした労災補償制度▽労災対象外の人に向けた石綿健康被害救済制度▽国家賠償制度-などがあり、吸い込んだ経緯や職種などに応じて利用できる枠組みが異なる。制度ごとに手続き先の機関も異なるという。
複数の制度から自身に適した手続きを取ることは被害者や遺族にとって難しいため、市が適切な制度に橋渡しする。15日に弁護士職員を中心とする相談窓口を市民相談室に設ける。
阪神・淡路大震災後のアスベストを巡っては、震災のがれき処理に従事した同市職員の公務災害が神戸地裁で認められ、現在も訴訟中。泉房穂市長は会見で「当事者意識を強く持って対応したい」と述べた。(長尾亮太)