姫路市が発注ミスでワクチン8割減 新型コロナ、尼崎と西宮は「在庫あり判定」で1割減

2021/07/14 21:00

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 8月前半に兵庫県内に配分される米ファイザー製ワクチンについて、尼崎市と西宮市は国から「在庫がある」とされ、当初予定から1割削減されることが分かった。兵庫県内には455箱(53万2350回分)が配分され、7月後半よりも微増するが、市町の希望量には遠い。姫路市は発注作業のミスから大幅減となるが、井戸敏三知事は県の裁量分を利用し、一定の救済をする考えを明らかにした。 関連ニュース 15歳女性にワクチン誤接種 病院の職場接種で 2回目ワクチン接種の90代女性が感染 新型コロナ 使いにくいワクチン注射器「こんなの臨床で使わない」 国が配布、半端の廃棄増加

 国は各市町に「基本計画枠」として対象人口に応じた配分を示しているが、8月前半の供給について、計算上で在庫が多いとされた自治体の配分を基本計画枠から1割減らす。
 県内では尼崎市と西宮市が対象になり、2箱(2340回分)ずつ減らされると通知された。希望数の入力作業を失念した姫路市は約8割減となる。
 尼崎市は8月に集団接種の予約枠を半分にし、個別接種の予約も3~4割減らす予定で、担当者は「そもそも在庫なんてない。尼崎市民だけ接種が遅くなり、憤りすら感じる」と訴える。西宮市の担当者は「計画通り接種を進めづらくなる。安定して接種できる方向で供給してほしい」とした。
 今回は接種状況に応じて都道府県の裁量で配分する「調整枠」が設けられた。兵庫県は455箱のうちの156箱(18万2520回分)で、姫路市が不足分の配分を求めたほか、5万人以上の予約を取り消した神戸市の久元喜造市長も14日、井戸知事に「大量のキャンセルが発生している。できるだけ多く配分してほしい」と要望した。
 井戸知事は姫路市への対応について「それなりの配慮をしなければワクチン接種が動かなくなる」とし、調整枠を利用して救済する方針。県は14日に配分案を国に連絡。国が認めれば、15日にも各市町に配分を伝えるという。(高田康夫、長谷部崇)

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