西宮市でパラ採火式 名産の「和ろうそく」を使った点火、横殴りの雨風で大苦戦

2021/08/14 14:25

市の伝統工芸品の和ろうそくで点火を試みる仙田仁香所長=ららぽーと甲子園

 東京パラリンピックに向けた兵庫県西宮市の採火式が14日、ららぽーと甲子園(甲子園八番町)の屋外広場であった。市の伝統工芸品「和ろうそく」に火をともしてランタンに移そうとしたが、前線停滞による強い雨風に大苦戦を強いられた。 関連ニュース 神戸の火、東京パラ会場へ 大震災鎮魂のガス灯から採火 川西特産「菊炭」で火おこす 芦屋高生ら躍動の書 東京パラ採火式 幻となった東京五輪、そのポスター「仁王像」

 聖火は全国の自治体が独自の採火式でつけた火を集めて作る。市は、煙が少なく、火が消えにくいとして重宝され、お盆に最盛期を迎える名産の「和ろうそく」でともすことにした。
 使ったのは創業140年を超える西宮市今津水波町の「松本商店」が作った長さ約10センチの和ろうそく。甲子園球場や朝顔が描かれ、ららぽーと甲子園の仙田仁香所長がライターを向けたが、傘が壊れるほどの横殴りの雨風で火がつかない。5、6人の大人が体で風を遮って何度も挑み、最終的に和ろうそくとライターを重ねるようにしてランタンにともすことに成功した。
 また、施設内ではパラの競技の一つ「ボッチャ」の体験会もあった。手のひらサイズの柔らかいボールを投げ、的からの距離で得点を競う。体験した家族連れは「初めてしたけどおもしろい」「早く試合を見てみたい」と笑顔を見せた。
 聖火の展示は悪天候のため見送られ、16日に神戸市である「集火式」に届けられる。(村上貴浩)

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