マスク着用拒否の客は退店、兵庫県が飲食店に求める

2021/08/19 20:46

飲食店が張り出したマスク着用を求める紙=19日午後、神戸市中央区元町通2(撮影・坂井萌香)

 新型コロナウイルスの感染拡大で20日から、兵庫県に発令される4度目の緊急事態宣言。飲食店への酒類提供禁止要請は県内全域に広がる上、県は客に会話時のマスク着用を徹底し、応じない場合は退店させるよう初めて独自に求める。「マスクを着けるよう注意するのは難しい」「客の期待に応えるサービスを提供できない」。規制の対象となる店舗や施設は懸念を抱きつつ対応に苦慮する。 関連ニュース マスク非着用は飲食店入れず 4回目の緊急事態宣言、兵庫県が独自策 テレワークで出勤者7割削減を 外したマスクの置き場所困ってませんか 地場産業のかばん素材でストラップ開発 4回折るだけ「オリガミマスク」で会食を そば店経営者が考案【動画】

 マスク着用の徹底要請には、多くの店が困惑する。
 「守らない客への注意は正直難しい」。約1200店が加盟する県飲食業生活衛生同業組合の入江眞弘理事長(64)は戸惑う。
 自身も神戸市内で飲食店を営むが、マスク着脱のタイミングを巡り客と意識のずれを感じることも多い。「いつまで規制されるのか」とため息を漏らした。
 同市中央区の喫茶店「元町サントス」は従来の席数削減、アクリル板設置に加え、20日からマスクを着けた状態でさらに口元を覆うための紙うちわも配る。
 経営する萩原珈琲の萩原英治代表取締役(39)は「アクリル板、マスク、うちわで3重の対策。ここまでやれば安心感につながるのではないか」と説明する。
 マスク着用については「直接言いづらい」。テーブルに立てたアクリル板に着用を求めるメッセージを張り、それを客に指さして依頼できるよう工夫した。
 一方で「厳しい要請。喫茶店のくつろぎ感がなくなるかもしれない」と心配。「感染者を減らさないと、経済もますます締め付けられる。医療機関の負担軽減のために協力したい」と何とか前を向く。
 また、但馬地域は約2カ月ぶりに規制対象になる。
 豊岡・城崎温泉の旅館「小宿 縁」の田岡聖司社長(44)は「宣言地域から除外してほしいが、但馬でも感染者は増えており仕方がない」と理解を示しつつ、酒類提供ができないことやマスク着用の要請を踏まえ、「お客さんの期待に十分に応えられない。悔しい」と本音を口にした。
 感染拡大に歯止めがかからない中、協力を求める県災害対策課は「マスク着用の徹底要請はお客さんを追い出すことが目的ではない」と強調。店側が客に協力を呼び掛けやすくなるよう「県からの要請だと見える形で伝えられるような啓発を検討している」とした。(上杉順子、阿部江利、赤松沙和、大島光貴)
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