ワクチン接種の大学生「副反応に不安あるがメリットの方が」 兵庫県知事と意見交換

2021/08/28 19:54

自らの司会進行で学生らと意見交換する斎藤元彦知事=神戸市西区学園西町8

 兵庫県の斎藤元彦知事(43)は28日、兵庫県立大神戸商科キャンパス(神戸市西区)の新型コロナワクチン接種会場を視察し、学生と意見を交わした。自ら司会役を務め、約1時間にわたって質問を投げ掛け、引き出した学生の本音を熱心にメモしていた。新型コロナウイルスの感染が落ち着いた段階で、兵庫県内の学生らと意見交換する「学生未来会議」を立ち上げる方針も明らかにした。 関連ニュース ワクチン「今は打たない」「まだ見送る予定」ママたちが選択する理由 接種をめぐるリアル体験談 デルタ株にも効く抗体の作製に成功 特効薬開発、実用化へ 神戸の創薬ベンチャー 「7分袖のワンピで大失敗」ワクチン接種した医療従事者が、アドバイスをまとめたイラストが話題 経験した副反応も紹介

 たまたま職員に声をかけられて参加した学生6人は緊張した面持ち。斎藤知事がワクチンを接種した理由を尋ねると、「家族や友人に感染させたくなかった」「副反応に不安はあるが、重症化を防ぐなど接種するメリットの方が大きいと考えた」との声が相次いだ。
 斎藤知事の仕切りで、話題はワクチン接種からコロナ禍の学生生活へ。サークル活動の自粛が続き、コロナ禍で大学生活が始まった1年生は「連絡が取れるのは、入学直後の対面授業で知り合った友人くらい」。就職活動に取り組む3年生は「インターンシップもオンラインばかりで、企業の実態が分かりにくい」と訴えた。
 学生たちとの対談後、「さまざまな孤立や孤独の課題が潜在的に広がりつつあると感じた。何か対応できることを考えたい」と斎藤知事。国際商経学部3年の女子学生(21)は「知事と直接話せるのは貴重な機会。学生たちの声を聞いてもらえる場ができることに期待したい」と話した。
 学生未来会議は大学生のほか、専門学校生や高校生らも対象になる見通し。10~20人程度を集めた意見交換の場を想定しているといい、「感染が落ち着いた段階で、スピーディーに開催したい。年内か年度内には立ち上げたい」とした。(石沢菜々子)

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