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「癒やし合えるのが育児漫画の魅力」と赤木智菜美さん=姫路市内
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「癒やし合えるのが育児漫画の魅力」と赤木智菜美さん=姫路市内

 全力で泣いて親の気を引く、目につく物全てを口に運ぶ-。子育て中の人がくすっと笑って共感できる育児漫画がインスタグラムやツイッターなどの会員制交流サイト(SNS)で人気を集めている。投稿者はプロの漫画家から素人まで幅広く、書籍化されたり、ネット上で連載を始めたりする人もいる。(貝原加奈)

 双子育児や3兄弟との奮闘記、出産の体験談、パパの子育てなど、SNS上には日常の育児シーンを切り取った漫画が数多くアップされている。絵のうまさやタッチはさまざまだが、読んでいて前向きな気持ちになれることは共通だ。

 5歳男児と2歳女児を育てる兵庫県姫路市の赤木智菜美さん(38)は、長男を出産後、友人の勧めで自身のSNS上に育児漫画を載せ始めた。漫画家志望だったといい、アルバイトをしながら東京で制作活動に励んだが、いったん区切りをつけて広告代理店に就職した。

 30歳で結婚。長男の出産を機に、画像を投稿できるインスタグラムに4こま漫画で日々の出来事をつづった。「初めは自分の記録として残す育児日記のような気持ちだった」

 漫画を描きたい気持ちがよみがえり、子育て情報サイト上で週1回4こま漫画の連載をするように。寝相の悪い長男と添い寝していたら顔を蹴られたり、オムツをはかせ忘れる痛恨のミスを犯してしまったり。投稿に「これ、私もあります」「分かります!」と読者から共感する声が返ってきた。「私の漫画が誰かの役に立っていると実感することがそれまでなかった。新鮮だった」と赤木さん。連載終了後も、育児の合間に、2時間ほどかけて1作品を作る。

 こうした育児漫画に癒やされているというのは1児の母真澄さん(39)=仮名、神戸市須磨区。「初めての子育ては不安が多かったけど、泣いて笑える漫画を通して育児を楽しむ方法を教えてもらっている感じ」と感謝する。

 趣味でSNSに投稿していた人が育児漫画をきっかけにフォロワー数が増え、書籍化したケースも多い。無料のイラスト制作ソフトを使えば、誰でも簡単にイラスト作りや加工ができるようになったことが背景の一つにある。プロではない絵のタッチが“味”になることも。

 育児漫画を描く時のポイントについて赤木さんは「何げない一瞬の出来事に面白さがある。きれいなイラストを描くよりも、インパクトのある表情や空気感で読む人の心をつかんで」とアドバイスする。「『これ、ネタにしよ』と思えると、子どものしぐさや言葉が余計にかわいく思えてきますよ」

 赤木さんは昨年4月、アート工房「菜(さい)」を立ち上げ、漫画広告などのデザイナーとして活動している。漫画家志望の人向けのオンラインスクールも開いている。同工房TEL079・280・4112

     ◇     ◇

■子育ての気付きをうまく表現

 プロアマを問わず、育児漫画は育児関連のウェブサイト・メディアで注目されている。

 NTTドコモが運営する育児ウェブメディア「コノビー」は、「孤独な育児“孤育”をしている人に、笑いや発見を届けたい」と2015年4月に開設された。育児での困り事が多い0~2歳児の親が主なターゲットだ。

 SNSで人気のブロガーや、漫画の投稿コンテスト上位入賞者ら約50人の男女ライターが、育児漫画を中心に発信している。月間のページビューは2500万回、利用者数は250万人に上る。

 同メディアの瀧波和賀(わか)編集長は「4こま漫画は、動画やテキスト記事よりも、家事や育児の隙間時間に読めるため、反響が大きい。SNSでの拡散もしやすい」と説明する。子どもならではのユニークな視点が光る漫画や、育児中の気付きをうまく言語化した漫画が共感を呼んでいるという。

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