行財政見直しへ事業を総点検 兵庫県知事、予算と決算額の乖離チェック

2021/09/01 06:00

行財政運営方針の見直しを発表する斎藤元彦知事=8月30日、兵庫県庁

 兵庫県の斎藤元彦知事は、行財政運営本部を開き、行財政改革に着手した。知事選で掲げた公約に基づき、行財政全般の見直しを各部局長に指示。県議会に対しても、内容を審議する特別委員会の設置を求める。本年度中に取りまとめ、2022年度の当初予算案にも反映させる。

 県は19年度以降、行財政運営方針に基づき、県管理職の給与カットや警察署の統廃合などを進めてきた。3年ごとの改定時期を迎えていたが、新たな知事の下での見直しとなる。
 同本部には、知事直轄の新県政推進室メンバーを加え、当初予算額と決算額に乖離がある事業を中心に総点検する。12月に見直しの素案をまとめ、県議会との協議などを踏まえ、来年3月の策定を目指す。
 斎藤知事は「決算の段階で執行率が低い事業は見直し、別の事業に振り向ける」と総点検の考え方を説明。財政調整基金(貯金)の少なさについて「今の約30億円を任期中に100億円程度に増やす」方針は変わらないとした上で、「基金を積み上げるために住民サービスのカットはしたくない」との考えも示した。
 また、女性や若手職員の幹部登用による組織の活性化や、民間事業者と連携した仕事の進め方にも意欲を見せた。(大島光貴)

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