「首相交代で支持率上昇を」「誰がなっても同じ」 菅首相退陣表明で与野党議員
2021/09/04 21:31
有権者にあいさつして回る衆院議員。菅義偉首相の退陣表明後、初めて地元で街頭演説に立った=4日午後、尼崎市内(撮影・長嶺麻子)
菅義偉首相の退陣表明を受け、後継の「ポスト菅」レースが動き始めた。自民党の“顔”が誰になるのか。兵庫県内の衆院選にも影響しかねず、立候補を予定する自民現職は「新しい首相で支持率アップを」と新総裁に期待を寄せる。一方、野党側は「新型コロナ対策で迷走した結果。誰がなっても同じ」と断じ、政権交代を声高に訴える。
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兵庫1区(神戸市東灘、灘、中央区)の自民現職は、県内の国会議員で唯一の岸田派に所属。首相の退陣を「コロナ対策を国民にきちんと説明し、訴えかけることができなかった」と受け止め、総裁選に立つ派閥の長、岸田文雄前政調会長に期待する。「堂々と戦って首相になり、国民に安心感を与えてほしい」と求め、「首相が代わり、支持率が少し上向いてくれれば」とも話した。
同8区(尼崎市)の公明現職はこの日、尼崎市内で街頭演説。首相の退陣表明に触れ、「次の首相が誰になるかは分からないが、引き続きコロナ対策に取り組んでいく」と述べ、連立与党の実績を訴えた。街中に菅首相と並んだポスターが掲示されており、取材に対し「撮り直したいが、新しい首相が決まるのを待っていては選挙に間に合わない可能性がある」と対策を練る。
一方の野党。同1区の立民元職は「与党の自浄作用が働かない中で、地元横浜市長選での大敗が決め手になった」と退陣を分析した。織り込み済みの展開だといい、「野党が強くなれば、与党もいい加減な政治を続けることはできないということだ」と意気込む。比例近畿の立民現職は「『Go To キャンペーン』など、コロナ対策で迷走し続けた責任は大きい」と指摘し、この日は地元で支援者に活動報告をした。
菅政権をコロナ担当閣僚として支えた自民現職の地盤である同9区(明石、洲本、南あわじ、淡路市)。立候補予定の共産新人は「首相交代が自分の選挙に追い風にはならない」と冷静に受け止め、「自公政治が続く限り、誰が首相になっても国民の生活は良くならない。政権交代が必要だとこれからも訴えていく」と語った。
菅首相と松井一郎代表(大阪市長)らが「蜜月関係」とされ、政権の補完勢力に位置付けられる日本維新の会。県内では、12ある衆院小選挙区のうち七つで自民と維新が激突する見込みだ。
兵庫10区(加古川、高砂市、稲美、播磨町)に挑む新人は「菅首相のままのほうが戦いやすかったとは思う」とした上で、「自民の政策には手詰まり感があり、誰が首相になっても同じ。維新の政策をしっかり訴え、存在意義をアピールしたい」と力を込めた。(まとめ・初鹿野俊)