世界的な造形作家・新宮晋さん構想「地球アトリエ」三田に体験型芸術文化施設開設へ

2021/09/11 05:40

新宮晋さん

 兵庫県は2024年春にも、世界的な造形作家・新宮晋さん(84)=同県三田市=が構想する芸術文化施設を県立有馬富士公園(同市)に開設する方針を固めた。体験型芸術施設やアトリエなどを一堂に集める。「地球アトリエ」と名付け、子どもたちが五感を使って芸術を楽しめる拠点を目指す。 関連ニュース 日比野克彦さんら、4カ年のアートプロジェクト 兵庫から発信 神戸港の「ポートミュージアム」水族館10月29日オープン 神戸三宮の高層ツインタワー 屋上庭園に「世界一美しい図書館」

 新宮さんは風や水、重力など自然のエネルギーで動く立体作品で知られ、「風の彫刻家」と呼ばれる。作品は世界各地の公園や広場、公共ホールなどに展示。19年にはレオナルド・ダビンチ没後500年を記念し、仏の世界遺産シャンボール城で展覧会を開くなど、今も第一線で活動する。
 地球アトリエは計4棟あり、延べ床面積2500~2700平方メートルを予定。体験学習型芸術施設「アートセンター」とアトリエが24年春に先行オープンし、シアター(劇場)とカフェも順次建設する計画だ。
 有馬富士公園内には、新宮さんの作品12点を野外展示した「風のミュージアム」があり、一帯は豊かな自然と芸術がさらに楽しめるようになる。
 主な対象は子どもたちで、作品の制作過程の公開や、ものづくりのワークショップなどを検討している。新宮さんは「世界のアーティストや教育機関と結びつき、地球の未来を考える場所にしたい」と話す。
 県によると、総工費は当初見込みで約30億円。屋外にも作品を展示する予定で、公園内の約1・5ヘクタールを造成する。(土井秀人)

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