「村上春樹ライブラリー」完成 村上さん、母校・早稲田大で会見「新しい文化の発信基地に」

2021/09/22 21:57

フォトセッションに応じる(右から)隈研吾さん、柳井正さん、村上春樹さん、早稲田大の田中愛治総長=22日午後、早稲田大国際会議場井深大記念ホール(撮影・大森 武)

 神戸、阪神間ゆかりの作家村上春樹さん(72)が寄贈、寄託した資料を収蔵する「国際文学館」(村上春樹ライブラリー)が母校の早稲田大(東京都新宿区)に開館するのを前に、村上さんや関係者らが22日、同大学で記者会見した。 関連ニュース 「典型的な阪神間少年」村上春樹さん、消えた海に喪失感 「ハルキを生んだ街」(上) 「僕」と「鼠」が駆け抜けた「惨めなほど細長い街」 芦屋の海が「原点」 「ハルキを生んだ街」(中) 外国文化を大量に吸収し、彼女もできた神戸高校時代 「ハルキを生んだ街」(下)

 村上さんは「新しい文化の発信基地になればいい。都会の真ん中にあるという地の利を生かして、大学と外の世界がうまく混じり合えば」と期待を語った。
 施設は校舎を改築した地上5階、地下1階建てで、10月1日にオープンする。村上さんの蔵書や海外で翻訳された著作、レコード、スクラップブックなど約1万点を収蔵し、今後も直筆原稿など貴重な資料が順次寄託される予定だ。
 新国立競技場などに携わった建築家の隈研吾さんが設計。費用はユニクロを展開するファーストリテイリングの柳井正会長兼社長が全額寄付した。2階までを一般公開するが、当面は新型コロナウイルス対策で事前予約が必要。(今福寛子)

神戸新聞NEXTへ
神戸新聞NEXTへ