白鵬が引退、ファンらねぎらい「次の白鵬育てて」 兵庫県内でもたびたび巡業
2021/09/27 11:40
20年に1度の祭礼「三ツ山大祭」で、奉納土俵入りを披露した横綱白鵬(中央)=2013年4月、姫路市総社本町、播磨国総社
現役引退を決意した白鵬は、地方巡業などで兵庫県をたびたび訪れ、土俵入りや取り組みで県内ファンを沸かせてきた。阪神・淡路大震災を始め、災害に見舞われた被災地にも足を運び、住民を勇気づけたことも。長く角界を支えた大横綱の決断に、県内からもねぎらいの声が聞かれた。
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横綱として史上最長の84場所の在位期間を誇る白鵬。本場所のみならず地方巡業でも存在感を発揮し、兵庫県内では阪神間から、播磨、但馬、丹波地方まで、各地で力強い取り組みを披露した。
横綱昇進直後の2007年秋には神戸で巡業。歴代単独最多となる9度目の全勝優勝を果たした13年には、播磨国総社(姫路市総社本町)で20年に1度行われる伝統の「三ツ山大祭」で土俵入りを奉納した。養父市で17年にあった「但馬場所」では、稀勢の里(現荒磯親方)との横綱対決で会場を大きく沸かせた。
被災者を励ます四股も踏んだ。14年秋には丹波市に巡業。同年8月に豪雨被害を受けた被災者に笑顔をもたらした。阪神・淡路大震災から20年となった翌15年春には、日本相撲協会の企画で他力士とともに神戸・三宮の東遊園地にある「1・17希望の灯り」を訪れて黙とうをささげ、南あわじ市では綱を巻いて土俵入りした。
テレビ観戦を欠かさなかったという神戸市兵庫区の自営業の女性(76)は「前の千秋楽の時は痩せていて、辞めるのかなと思っていた。いい引き際なのでは。ぱっと勝負を決める試合が多いのが印象的だった」。同市垂水区の男性(73)は「日本国籍も取って日本語も上手。今後は次の白鵬を育ててほしい」と願った。(大盛周平、小野萌海、丸山桃奈)