村上春樹さん作品登場の料理店「ノーベル賞、来年こそは」

2021/10/07 22:02

ノーベル文学賞を逃したと知り残念がる山中崇裕さん=7日夜、神戸市中央区中山手通2(撮影・中西幸大)

 7日夜に発表されたノーベル文学賞の受賞者に、神戸・阪神間にゆかりが深い作家、村上春樹さん(72)は選ばれなかった。毎年有力候補には挙がるものの、今年も吉報は届かず。関係者は悔しがりながらも「来年こそは」と期待を込めた。 関連ニュース 「典型的な阪神間少年」村上春樹さん、消えた海に喪失感 「ハルキを生んだ街」(上) 「村上春樹ライブラリー」完成 村上さん、母校・早稲田大で会見「新しい文化の発信基地に」 「僕」と「鼠」が駆け抜けた「惨めなほど細長い街」 芦屋の海が「原点」 「ハルキを生んだ街」(中)

 村上作品に登場する神戸市中央区のイタリア料理店「ピノッキオ」のオーナーシェフ山中崇裕さん(66)は受賞を逃したと知り「参りましたね」と店の前で肩を落とした。新型コロナウイルス禍で暗いニュースばかりの中、「良いことが起こるのでは」と信じていた。来年は店が60周年を迎えるといい「コロナ前のように(熱狂的なファンである)ハルキストのみなさんと受賞と60周年を祝えたら最高」と願った。
 村上さんが寄贈、寄託した資料を収蔵する「国際文学館」(村上春樹ライブラリー)が今月、母校の早稲田大にオープンし、話題になった。英ブックメーカー(賭け屋)の受賞者予想のオッズでは、村上さんは最上位グループの6人に入っていた。(堀内達成)

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