存在感増す「和楽器バンド(WGB)」 28日に大阪公演
2021/10/18 14:50
鈴華ゆう子(KEIKO TANABE)
詩吟の力強い声、和太鼓、三味線、尺八の響きが、エレキギター、ドラムの奏でるロックのメロディーに融合する。「和楽器バンド(WGB)」は、音楽の新ジャンル開拓に挑む。
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ボーカル鈴華ゆう子の呼び掛けで、和洋楽器を含む8人で2014年にデビュー。18年には日本レコード大賞・アルバム賞を受けた。21年放送のドラマ「イチケイのカラス」の主題歌もヒットし、着実に存在感を増してきた。ビートのきいたメロディー、心に染みるような声、趣のある和テイストが特徴だ。
鈴華は3歳でピアノ、5歳で詩吟を始め、幼少から和洋の音楽に親しんできた。詩吟は全国コンクール優勝、師範も務める実力を持つ。箏や尺八との協演も多く、日本文化を身近に感じてきた。WGBでは経験を生かした伸びのある歌声に加え扇子、和傘を使って剣詩舞のパフォーマンスでもファンを魅了する。
「現代の日本はいろんな分野で和洋文化が混在している。若い世代に和文化を見直してもらおうと、ロックとのミックスを考えた」と狙いを話す。
伝統工芸支援にも乗り出す。琴、三味線の楽器、傘など小物メーカーは後継者不足に悩む。全国ツアーでは神戸国際会館を含む各会場に募金用のたるを置いて救済を呼び掛ける。「伝統工芸は私たちの活動には欠かせない。技術継承には時間がかかるため、途絶える危機にある」と鈴華。「音楽を通じて伝統文化の魅力を伝えていきたい」
28日午後6時半から大阪・梅田芸術劇場で公演。1万1千円。グリーンズ・コーポレーションTEL06・6882・1224
(津谷治英)