天海祐希「コメディーはタイミングが命」 映画「老後の資金がありません!」で主演
2021/10/20 14:39
コメディー作品「老後の資金がありません!」で熱演した天海祐希=大阪市北区
リタイア生活を目前にした主婦が、金銭がらみの家族問題に振り回される映画「老後の資金がありません!」で、天海祐希が主役を務めている。多くの国民を不安に陥れた「老後の資金2千万円不足問題」も意識した喜劇。天海は持ち前の明るさで、ばかばかしさの中に人情をにじませ、コメディエンヌの才能を発揮している。
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原作は豊岡市出身の垣谷美雨の小説で舞台化もされた。
天海が演じる後藤篤子は、節約を是とする主婦。月謝5千円のヨガ教室をささやかな楽しみに、家計を任せきりの夫の章(松重豊)を助ける。子育ても一段落し、老後は安泰のはずだったが、義父が亡くなり、急きょ、浪費家の姑・芳乃(草笛光子)と同居することに。さらに章の会社が倒産し、住宅ローン返済の当てにしていた退職金も出ない。おまけにフリーターの娘は売れないミュージシャンと結婚すると言いだす。
老後の生活費、親の介護、子どもの結婚資金。天海は「全て現実にある話。自分のことより家族のことを考えざるをえない篤子の気持ちを、全力で表現した」。
自身には珍しい喜劇。草笛、松重に加え、柴田理恵、友近、竜雷太、毒蝮三太夫ら個性豊かな共演者の演技が光る。「コメディーはタイミングが命。はずすと笑えない。でも皆さんベテランなので、計算しながら場面をつくっていた」と感心する。「普段、自分は攻めるタイプだが、今回は周囲からガンガンくるのを受け止めた」と笑う。
中でも草笛との絡みが印象に残ると振り返る。「おおらかで、自由な雰囲気に助けられた。穏やかに嫁を振り回し、ほのぼのさせてくれた」と感謝する。
新型コロナの影響で1年延期されての公開。「まだまだ大変な時期が続くが、映画館を出た後、ハッピーな気分になれる作品。ゲラゲラ笑って元気になってもらえれば」と話していた。(津谷治英)
◇OSシネマズミント神戸などで30日から公開。