比例代表「民主党」が二つ 立民と国民、略称が同じ 「民主」なら無効か 92年には日本新党と国民新党が

2021/10/22 20:11

投票所に貼られている比例代表の届け出政党名と略称の一覧=神戸市役所

 衆院選の期日前投票が進む中、投票所に掲示される届け出政党の一覧表で、立憲民主党と国民民主党の略称がともに「民主党」となっており、投票者が混乱するケースが生じている。公職選挙法は、複数の政党が同じ略称を使うことは禁じていないが、有権者に戸惑いが広がっている。 関連ニュース 独自路線掲げる国民民主、何を目指しているの? 保守からリベラルの現実主義を標ぼう 立憲民主って、旧民主と変わり映えしない? 枝野代表に聞いた 比例復活の当選者、待遇に差はあるの? 給与、秘書の数 小選挙区と同じ

 政党の一覧表には正式名称と略称が記載される。総務省によると、国民は9月14日に、立民は翌15日にそれぞれ、略称を「民主党」として同省に届け出た。「民主党」と書かれた票は案分票とされ、両党の有効得票数に応じて比例配分される。
 立民は2017年の前回衆院選で「民主党」を使用。一方、国民も19年7月の参院選で「民主党」を使う方針を打ち出し、立民は混同を回避するため「りっけん」を使っていた。
 同省によると、1992年参院選で当時の日本新党と国民新党が同じ「新党」という略称を届け出た例があるという。
 ちなみに今回、「民主」と書いた場合は「公選法の規定により、開票管理者が立会人の意見を聞き、有効・無効を決定する」と総務省担当者。両党だけでなく、自民党や社民党にも含まれるためという。
 兵庫県内のある市の選挙管理員会事務局は「現時点では国からの指針も出ていないが、おそらく『民主』は無効になるのでは」としている。(広畑千春)
【特集ページ】衆院選2021

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