2021衆院選県内世論調査 「景気・雇用」への関心突出

2021/10/29 11:30

神戸新聞NEXT

 与党が過半数を確保して連立政権を維持するのか、野党が政権交代を果たすのか-。新型コロナウイルス禍で初めてとなる衆院選の投開票が、31日に迫る。神戸新聞社が24~26日に兵庫県内で実施した電話世論調査では、生活に直結する「景気・雇用対策」を重視して一票を投じるとした回答が最も多かった。関心度は4年前の前回選とほぼ横ばいで、有権者の投票行動が注目される。(小川 晶) 関連ニュース 首相進退「本音分からぬ」 自民・斎藤前経産相 「首相は選挙大敗の責任を」 自民・小林氏、重ねて要求 首相進退「自身で決断を」 自民・小林氏、大敗の引責


■「消費税・財政」が2番手に コロナ対策にも注目
 新型コロナウイルス禍からの経済再生を目指し、各党は、現金給付や金融緩和、消費税率の引き下げなどさまざまな政策を掲げている。県内の有権者が重視する政策も「景気・雇用対策」が27・1%で最も多く、「コロナ対策」(14・3%)の2倍近くに上った。
 景気・雇用対策は、4年前の前回選調査(16・5%)から10・6ポイント増加した。比例投票先として考える主要な政党別でも、共産、国民を除く4党で最多を占め、自民と維新は3割を超えた。
 全体で2番目に多かったのが「消費税など税制と財政」で17・3%。共産、国民では最も多かった。景気・雇用対策とともに、生活の再建を望む声が多数を占める現状が浮かび上がる。
 北朝鮮の核・ミサイル開発など懸案を抱える「外交・安全保障」(6・1%)は、前回選から3・6ポイントの減少。脱炭素社会に向けた「原発・エネルギー政策」(2・7%)も2・9ポイント下がった。「地域活性化」は0・5ポイント増の4・6%だった。

■県内の衆院選への関心度 「関心ある」77・3%
 衆院選に対する県内有権者の関心度は、「大いにある」と「ある程度ある」を合わせて77・3%を占めた。4年前の前回選(78・8%)からわずかに減ったが、ポストコロナを見据えた政策論議などが一定の興味を引いているようだ。
 年代別では、60代の86・4%を筆頭に50代以上の関心度が8割を超えた一方、30代以下は6割台にとどまった。「関心がない」が最も多かったのが30代で、「全くない」が年代別で最高の9・9%を占めた。 

■望ましい選挙結果は 「与党が少し上回る」最多
 与党が過半数を維持しつつ、野党も一定の勢力を保って対抗-。自民、公明の連立政権が続く中で、県内の有権者は、このような選挙結果を最も望んでいるようだ。
 「現在の与党が野党を少し上回る」を求める声は37・5%。全ての年代で「分からない・無回答など」を除いて最多となり、50代と60代で4割を超えた。「与党が野党を大きく上回る」は16・3%。30代の18・7%が最高で、各年代で2割を下回った。
 「野党が与党を上回る」は60代以上の高齢者層で目立ったが、全体では14・1%にとどまった。岸田内閣の支持率が伸び悩む中で、野党が存在感を発揮しきれていない情勢を反映しているとみられる。
     ◆     ◆
【質問と回答】
■今度の衆院選にどの程度関心がありますか
 大いに関心がある28.5%
 ある程度関心がある48.9%
 あまり関心がない15.6%
 全く関心がない3.9%
 分からない・無回答3.1%
■小選挙区では投票する人を決めましたか
 決めている37.1%
 だいたい決めている18.5%
 まだ決めていない39.5%
 分からない・無回答4.9%
■比例代表では投票する政党を決めましたか
 決めている41.3%
 だいたい決めている16.6%
 まだ決めていない33.2%
 分からない・無回答8.8%
■それはどの政党ですか(決めている、だいたい決めている人に質問)
 自民党38.6%
 立憲民主党10.7%
 公明党8.6%
 共産党4.4%
 日本維新の会21.1%
 国民民主党0.9%
 れいわ新選組1.1%
 社民党0.4%
 NHKと裁判してる党弁護士法72条 違反で0.2%
 分からない・無回答14.0%
■もし、今投票するとしたらどの政党ですか(まだ決めていない、分からない・無回答の人に質問)
 自民党17.1%
 立憲民主党4.2%
 公明党2.4%
 共産党1.2%
 日本維新の会8.5%
 国民民主党1.0%
 れいわ新選組1.2%
 社民党0.4%
 NHKと裁判してる党弁護士法72条 違反で0.9%
 分からない・無回答63.0%
■どの政党を支持しますか
 自民党29.1%
 立憲民主党7.0%
 公明党4.6%
 共産党2.4%
 日本維新の会12.5%
 国民民主党0.6%
 れいわ新選組0.8%
 社民党0.3%
 NHKと裁判してる党弁護士法72条 違反で0.2%
 その他0.1%
 支持する政党はない21.4%
 分からない・無回答21.0%
■今回の選挙であなたは何を最も重視して投票しますか
 教育・子育て支援9.7%
 景気・雇用対策27.1%
 新型コロナウイルス対策14.3%
 消費税など税制・財政17.3%
 原発・エネルギー政策2.7%
 外交・安全保障6.1%
 地域活性化4.6%
 その他6.7%
 分からない・無回答11.4%
■どのような選挙結果が望ましいと思いますか
 与党が野党を大きく上回る16.3%
 与党が野党を少し上回る37.5%
 野党が与党を上回る14.1%
 分からない・無回答・その他32.1%

◇調査の方法 神戸新聞社は24~26日の3日間、兵庫県内で衆議院選挙に関する電話世論調査を行った。コンピューターで無作為に発生させた番号を使って電話をかけるRDD(ランダム・デジット・ダイヤリング)法で実施。5186人から有効回答を得た。調査結果は、四捨五入の関係で比率の合計が必ずしも100%にならない。 

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