石破氏、自民前職の実績誇示 吉村氏、維新による改革訴え 激戦の兵庫5区、最終日に舌戦

2021/10/30 22:25

神戸新聞NEXT

 兵庫県但馬の農村部から大阪のベッドタウンまで南北に広がり、県内最大エリアの選挙区となる衆院選兵庫5区。選挙戦最終日の30日、自民党の石破茂・元幹事長と、日本維新の会副代表の吉村洋文・大阪府知事が5区の立候補者の応援に入った。立憲民主党も加わり、報道機関の最終情勢で激戦が伝えられ、石破、吉村両氏は党の盛衰もかけて支持を訴え、声をからした。 関連ニュース 【写真】JR三田駅前で演説する日本維新の会の吉村洋文副代表 衆院選兵庫選挙区 自民優位も一部で立民・共産や維新に勢い 31日投開票 比例代表「民主党」が二つ 立民と国民、略称が同じ 「民主」なら無効か 92年には日本新党と国民新党が

 兵庫5区は、7期目を目指す自民前職と返り咲きを狙う立民の元職、維新新人による三つどもえの戦い。
 石破氏は30日、自身の選挙区、鳥取県に戻る前に兵庫県豊岡市など但馬の4カ所で応援演説に立った。並び立った自民前職をもちあげ「親子2代で農林水産業の振興や過疎地対策を進めてきた」と実績をアピールした。
 また「自民党への追い風は全く吹いていない。もっと誠実な党になるべきだ」と党改革の必要性も強調。戦前に軍部の政治介入を批判した「粛軍演説」で知られる豊岡市出身の政治家、斎藤隆夫を引き合いに「(前職は)間違っていることは間違っていると言い続けてきた。同じ但馬で思いを継ぐ人が今の自民党に必要」と議席の維持を訴えた。
 一方、維新の吉村氏は、5区の南部に位置する同県三田市のJR三田駅前などに立った。擁立した新人に地縁はないが終盤に最重点候補者となり、吉村氏は20日に続き三田に2度入った。
 吉村氏は演説で、5区に強固な地盤を築く自民を念頭に「昭和の政治ではなく、改革する政党が必要だ。ここはあと一歩まで来ている」とまくしたてた。三田市は5区の市町で最も有権者が多く、全体の約4分の1を占める票田。大阪のベッドタウンでもあり、「大阪では改革し、借金を減らしながら財源を生み出した。大阪、兵庫で関西を強くしよう」と呼び掛けた。
(土井秀人、石川 翠、桑名良典)
【特集ページ】衆院選2021

神戸新聞NEXTへ
神戸新聞NEXTへ