幕末維新にタイムスリップ 伊藤博文の執務室も 神戸・兵庫区に「初代県庁館」
2021/11/03 21:23
「兵庫県立兵庫津ミュージアム・初代県庁館」がオープン。瓦屋根やふすまの江戸建築と庭園が復元された「県庁舎」を見学する来場者たち=3日午後、神戸市兵庫区中之島2(撮影・坂井萌香)
初代の兵庫県庁を再現した「県立兵庫津ミュージアム・初代県庁館」(神戸市兵庫区中之島2)が3日、オープンした。初代県知事の伊藤博文が使った知事執務室などを復元。3D映像が浮かび上がる複合現実(MR)技術が施されたゴーグルを装着して伊藤が登場するバーチャルドラマが視聴でき、幕末維新の雰囲気に触れられる。
関連ニュース
【地図】兵庫津ミュージアムの場所はこちら
【写真】調度品にも雰囲気が
【写真】木製の「仮牢」に入って遊ぶ子どもたち
県政150周年記念事業で、移転した神戸市中央卸売市場本場の跡地に建設された。来年度には展示施設「ひょうごはじまり館」も開館する。総事業費は約30億円。
兵庫県庁は廃藩置県に先立つ1868(慶応4)年5月23日、兵庫運河のそばにあった「大坂町奉行所兵庫勤番所」に置かれた。「初代県庁館」はこの勤番所の絵図などを基に、江戸建築で再現された。
知事執務室のある県庁舎や取次役所、旧船見番小屋など8棟が立ち並ぶ。県庁舎には、68年に備前藩士がフランス兵を負傷させた「神戸事件」なども題材にしたバーチャルドラマの視聴コーナーやフォトスポットがあり、取次役所はカフェになっている。
記念式典で斎藤元彦知事は「国内外から人が訪れ、交流する拠点として育んでいきたい」とあいさつ。西宮市から訪れたパート従業員の女性(62)は「時代劇が好きなので、タイムスリップしたような気分でわくわくする」と話していた。
入館無料。午前9時~午後5時。月曜休館。同ミュージアムTEL078・651・1868
(井上太郎)