JR尼崎脱線 車両保存内容、被害者に説明 24年秋ごろ施設完成の方針
2021/11/06 14:00
事故現場となった9階マンションは4階部分までが残され、巨大なアーチ型の屋根に覆われた=尼崎市久々知3
2005年の尼崎JR脱線事故の車両(全7両)をJR西日本が社員の安全教育に活用するため、保存方法などを事故遺族や負傷者に伝える説明会が6日午前、兵庫県伊丹市内の会場などで始まった。
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事故車両は兵庫県警が証拠品として押収後、11年に神戸地検からJR西に返還された。JR西は19年、大阪府吹田市の社員研修センター内で一括保存すると表明。保存施設を24年秋ごろに完成させる方針で、今年7月中旬以降、遺族らに計画を示して意見を募った。
関係者によると、損傷が激しく復元が困難な1~4両目は部品を号車ごとに棚に入れて陳列。原形をとどめる5~7両目や運転席の一部はそのまま保存する。地下に映像技術を使い、事故時の車両の状況を伝える空間も整備するという。
保存するスペースは約1500平方メートルで、天井までの高さは2階建てに相当する約7メートル。22年にも工事に着手する見通し。車両付近で、遺族らが献花や焼香ができるようにする。一般には非公開の方向だが、遺族や負傷者のなかでも賛否が分かれており、JR西は「将来的な課題」とする。
午前の説明会は負傷者、午後は遺族が対象。7日にもあり、JR西が安全の取り組みや来年4月に予定する慰霊式の開催方針も伝える。
事故は05年4月25日午前9時18分に発生。快速電車がカーブを曲がりきれずに脱線し、線路脇のマンションに激突。乗客106人と運転士が死亡、562人が負傷した。(石沢菜々子)