13歳「パリの人々のために描きたい」 焼失のノートルダム大聖堂、再建の願い込めた作品を現地に寄贈
2021/11/16 14:40
火災に遭ったパリのノートルダム大聖堂を思って描いた「光り輝く大聖堂」
首里城(那覇市)再建を願った独創的な絵画で話題になった兵庫県西宮市の柳生千裕さん(13)が、首里城火災の半年前に火災に遭ったフランス・パリのノートルダム大聖堂の再建を願う絵を描き、パリに贈られることになった。
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柳生さんは自閉スペクトラム症(ASD)があり、西宮市立総合教育センター附属西宮浜義務教育学校に通う。9歳から本格的に絵画を始め、2019年10月に焼失した首里城が再建したイメージを描くと、「希望の象徴」と会員制交流サイト(SNS)で話題となった。
今回の絵画は題して「光り輝く大聖堂」。きっかけは、パリの消防隊員らが那覇市消防局に激励の手紙を送ったという話を聞いたことだった。「パリの人々のために描きたい」と思い立ち、定規を使った線で建物を幾何学的に描き、アルコールマーカーで壁や風景を極彩色に彩って今年4月に完成させた。
柳生さんの思いをパリに届けようと、沖縄で柳生さんの個展を手伝ってきた「沖縄手帳社」(沖縄県沖縄市)の代表・真栄城徳七さんらが両都市に掛け合った。今月6日、那覇市で作品の贈呈式が開かれた。
柳生さんはジスラン・ムートン・在那覇仏名誉領事に絵を手渡すと「(作品は)パリでまた新たな出会いがある。うれしい気持ちで送り出したい」と笑顔を見せた。今後、大使館を通じパリの消防に届けられる。
来年1月には西宮市内でも個展が開かれる。(竹本拓也)