囲碁天元戦第2局 一力が勝ちタイに
2021/11/16 22:08
第2局で関航太郎七段に勝利し、対局を振り返る一力遼天元=16日午後、札幌市、ホテルエミシア札幌
囲碁の一力遼天元(24)に関航太郎七段(19)が挑む第47期天元戦5番勝負(神戸新聞社主催)の第2局が16日、札幌市厚別区のホテルエミシア札幌で打たれ、午後6時12分、一力が286手までで白番中押し勝ちを収め、対戦成績を1勝1敗のタイに戻した。
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持ち時間各3時間のうち残り時間は関、一力とも各1分。第3局は25日、福岡県久留米市の「ホテルマリターレ創世 久留米」で行われる。
先勝した関が序盤から積極的に攻めて速いペースで進み、左上で激しい攻防になった。一力は白48(11四)で展開を右上に変えようとしたが、関は黒55(15三)、黒57(14三)で上辺の黒を安定させる好判断を見せた。中盤、優位に立った関が黒111(10十五)で手堅く左辺の補強を狙ったが、一力が白112(16十六)と厳しく反発して険しい局面に入った。
勢いを増した一力は右辺と下辺で盛り返して猛烈に追い上げ、白122(13十六)のキリなどで形勢は混沌とした状況に。終盤は難解な寄せ合いとなったが、最後は一力が抜け出した。
立会人の石田秀芳24世本因坊(73)は「黒169(12十)以降は、両者とも成算が持てない戦いになり、秒読みに入ってからは微妙な悪手が続いた。黒191(8十四)が敗着となった」と話した。
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【一力遼天元の話】 左上の形は黒45(5七)まで見たことがあったが、その後を詳しく知らなかった。実戦の白50(15四)、52(16三)は、はっきりまずく、黒55(15三)、57(14三)と応じられ苦しかった。白184(10十三)とコウを解消して、細かい勝負になった。
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【関航太郎七段の話】 左上の進行は知識があったので、ある程度見通しは立っていた。黒55(15三)、57(14三)あたりで打ちやすくなり、黒67(7七)で手応えを感じていた。白112(16十六)のツケに対する対応は正しくなかったかもしれない。
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