「白いボールよいざなえ」オリ日本一へ 愛される球団歌「SKY」 作詞作曲者が込めた熱き思い
2021/11/20 13:30
神戸新聞NEXT
きょうから日本シリーズを戦うオリックス・バファローズ。毎試合、球場に鳴り響く曲「SKY」は、球団歌としては珍しいロックサウンドで、合併以来ファンに愛されてきた。25年ぶりの日本一を決め、「六甲おろし」や「闘魂こめて」のように一般にも広く知られる応援歌になるか。作詞作曲を手がけたバンド「MEGA STOPPER(メガ ストッパー)」のギタリスト、244さん(48)=尼崎市=に歌に込めたメッセージを聞いた。(小森有喜)
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野球の球団歌といえば「六甲おろし」(阪神)、「闘魂こめて」(巨人)など、落ち着いたテンポの曲が一般的。一方、SKYは力強いロックサウンドで、前奏からギターやサックスの音が響く。
2004年にブルーウェーブと近鉄が合併し、誕生したオリックス・バファローズ。ユニフォームなどはブルーウェーブのデザインが受け継がれたものの、球団歌は公募して一新されることになった。
メガ ストッパーは大阪を拠点に活動し、全員が野球好き。244さんもかつて阪急ブレーブスのファンだったという。所属していたレーベルからバンドにコンペ参加の打診があり、作曲に取りかかることに。球団歌をロックバンドが作るのは異例だったが、244さんは「曲ができた瞬間から間違いなく選ばれる、と自信がありました」と振り返る。歌い出しはこうだ。
♪君の声よ遥か届け 夢追い人が行く
虹の上架かるアーチ 明日を拓くだろう
一雫だけの雨が 大河を映すように
白いボールよいざなえ あの空の彼方まで
「行け」「勝て」と直接的な言葉ではなく、壮大な情景描写を取り入れた。球界再編という荒波を乗り越えた球団の歴史をふまえ、2番では「北に風 東に嵐 南覆う雲も 西に木枯らし荒れども 君は行けるだろう」という詞を盛り込んだ。
担当者の目にとまってコンペで選ばれ、05年から球場でかかるように。七回攻撃前のほか、勝利した後にファンが合唱する定番曲になった。球場での試合前イベントで生演奏する機会も多く、みるみるうちに浸透していった。SKY以外にもチームの演出にかかわる曲を多く手掛け、親しまれてきた。
今月12日。オリックスはロッテとのクライマックス・シリーズを制し、日本シリーズ進出を決めた。京セラドーム大阪に大音量のSKYが鳴り響く中、選手がチャンピオンフラッグを持ってファンに手を振りながら場内をまわった。ツイッターでは「やっぱりSKYは名曲」「SKYが流れる中で選手が場内一周する姿が一番泣けた」と、球団歌に絡めた反応が目立った。
「自分たちの曲をたくさんのファンが歌い、愛してくれているのは感謝しかない」と話す244さん。球場に足を運ぶたび、SKYで盛り上がるファンを見てうれしい気持ちになるという。
日本シリーズが6戦以降にもつれれば、ほっともっとフィールド神戸で試合がある。阪神・淡路大震災の被災地の人たちを勇気づけた25年前のように、神戸での胴上げは実現するか-。「ファンの皆さんが喜んでいる姿を見たい」と期待を寄せる。
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オリックスといえば、私設応援団が作る「選手別応援歌」も野球ファンからの人気が高い。神戸新聞が立ち上げたネットメディア「まいどなニュース」では、オリックスファン300人へのアンケートをもとに、人気の応援歌をまとめた記事も掲載しています。