「太平洋ひとりぼっち」から６０年　堀江謙一さん、ヨット単独無寄港で太平洋横断に挑戦へ

　海洋冒険家の堀江謙一さん（８３）＝兵庫県芦屋市＝は２４日、来年３月に米サンフランシスコを小型ヨットで出発し日本まで無寄港で太平洋を単独横断すると発表した。２カ月半かけて新西宮ヨットハーバー（西宮市）を目指す計画で、成功すれば世界最高齢での達成になる。 関連ニュース 全米一住みたい街と神戸　“橋渡し”突き動かすものは 船で嫁入り「世界でここしかない」　伝統婚礼行事を復活 迷いインコが列車の旅　ＪＲに乗り市またぐ大冒険

　堀江さんは１９６２年、小型ヨット「マーメイド号」で西宮－サンフランシスコ間を単独無寄港横断。世界初の快挙で、その後も西回りの単独無寄港世界一周（７３～７４年）、東回りの単独無寄港世界一周（２００４～０５年）などの冒険を続けてきた。
　この日、東京都内で会見した堀江さんは「（世界初の単独無寄港横断を成功させた）『太平洋ひとりぼっち』から６０年の節目の年。全力を尽くす」とスピーチ。衰えを感じさせない話しぶりで「嵐を乗り越えるごとに強くなる自分が分かる。普段は暴飲暴食をしないことを心掛けているぐらいだが、航海が体を鍛えるチャンスになる」と語った。
　直近の航海から１４年の空白ができた理由を「そろそろやめるよう家族に言われたが、家庭サービスを続け、やっとお許しが出た」と明かし「挑戦したいというマグマがたまっていた。今回爆発させたい。１００歳まで現役」と意気込んだ。
　航海に合わせ、船体長５・８メートルと６０年前と同サイズの「サントリーマーメイド３号」を新造。３月中旬にサンフランシスコを出航し、６月上旬の西宮到着を予定する。（西井由比子）