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尼崎市役所=尼崎市東七松町1
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尼崎市役所=尼崎市東七松町1

 元兵庫県尼崎市職員のバイセクシュアル(両性愛者)の男性に、市保健所幹部がカミングアウトを控えるよう指導した問題は、市内の動物愛護団体が幹部に送った文書が発端になった。一方で、市は文書の中身の大半を事実確認できないとして、不問にしていた。

 文書は2019年11月5日付で、主に猫の保護について男性への苦情が約20項目並ぶ。団体だけでなく、外部の市民ボランティアからも男性に関する相談が寄せられているとし、次の内容が書き連ねられていた。

▽「子猫は放っておいたらカラスのエサになるから」と言った。

▽「(猫を)今すぐ車でひき殺したらいいんですよ」と言った。

▽ボランティアの誹謗(ひぼう)中傷が常態化している。

▽ボランティアは、(男性に)同調し機嫌を損ねないように動くしかなくなっている。

 そして最後にこう記していた。

 「性的な発言についてはここに記載できません」

 「発言者が特定される可能性が高く何らかの仕返しが無いとは言えないからです」

 「機会が与えられれば、口頭で説明することはできます」

※いずれも文書の一部を抜粋

 市によると、幹部はこの文書を受け、団体メンバーと面会。そこで一人から「(男性から)バイセクシュアルだと打ち明けられて困惑した人がいる」と相談されたという。

 「訴えてきた団体のメンバーは、LGBTのことに触れると、何をされるか分からないとおびえている様子だった」。幹部は取材にそう回想。団体側に十分な事実確認をすることなく、男性の言動を調べるよう職場に指示したと認めた。

     ◇

 結局、市は男性を含めて複数職員に聞き取りし、苦情の大半を不問と判断。幹部もあらためて男性の説明を聞き、「苦情の一部には悪意がある」との見方を伝えた。ほとんどは根拠が定かでなく、団体と男性の説明は大幅に違ったという。

 一方で、団体の「性的な発言」という記述は、幹部が男性に公務中のカミングアウトを控えるよう指導するきっかけになった。男性は団体への市の向き合い方や面談のやりとりに失望し、退職を決めたという。

 稲村和美市長は、この問題について「市民から看過できない発言や対応があったなら、許容、助長してはならない。こちらの主張も伝えながら納得してもらえるようスキルを高める必要がある」と強調。市民対応について研修を充実させる意思を示した。

 動物愛護団体は取材に「(複数の報道が)事実とかけ離れた内容で驚いている」とし、「適正に事実を確認し問題を検証していただけることを願って、市に検証委員会設置を要望する。事実関係はその場で正確に申し上げる」とコメントした。

(竹本拓也、大田将之)

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