兵庫県、空き家11万戸有効活用へ 「特区」設けカフェなどへの用途変更を迅速化 全国初の条例制定方針
2021/12/02 11:30
兵庫県庁=神戸市中央区下山手通5
兵庫県は1日、空き家を移住や定住、交流促進の受け皿として有効活用するため、県内に特区を設けて規制緩和や流通促進を図る条例を2022年度にも施行する方針を明らかにした。県によると、空き家活用につながる規制緩和を盛り込んだ条例は全国初という。(大島光貴)
関連ニュース
県外からの転入世帯向け、空き家改修費の補助制度新設 兵庫県
空き家バンクの成約が100件を達成 「先輩」移住者を紹介、職員「並走」も成果 朝来市
空き家「どれだけ増えるのか…」 解体、自治体に大きな負担
斎藤元彦知事が県知事選で掲げた公約を基に設置した県土地利用推進検討会の意見を踏まえた。条例案では県内に約36万戸ある空き家のうち、利用できるのに流通していない約11万戸を対象にしている。
各市町から空き家の活用や流通を促進したい区域の申し出を受け、県が特区に指定する。特区内では市町の方針に沿い、市街化調整区域で空き家除却跡地の住宅新築を可能とするほか、カフェやホテル、事務所などへの用途変更を迅速化するなど規制を緩和する。
また、特区内の空き家所有者には管理状況や活用希望などの情報を市町に届け出ることを義務付け、市町は集約した情報を連携する宅地建物取引業団体やNPO法人に提供。所有者には売却や賃貸、空き家バンク登録などを働きかけることで流通を促す。
そのほか、特区内の空き家で行うリフォームへの補助率引き上げや、所有者へ利活用を働きかける業務に対する財政的な支援を検討しているという。
県は条例案について今月2~22日、県民から意見を募った上で、来年2月に開会する県議会定例会に条例案を提出する予定。