銘板に6人の名前、生きた証し刻む 阪神・淡路大震災の慰霊碑
2021/12/11 19:49
母、福田サツエさんの名前が刻まれた銘板を取り付ける長男慎太郎さん(手前から2人目)と親族=11日午後、神戸市中央区加納町6(撮影・鈴木雅之)
阪神・淡路大震災の犠牲者らを悼む「慰霊と復興のモニュメント」(神戸市中央区)に11日、新たに6人の名前が刻まれた。故人に思いをはせ、銘板を取り付ける際に涙ぐむ遺族の姿もあった。
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神戸・東遊園地で式典があり、遺族ら約20人が参列。地下にある「瞑想空間」に銘板を取り付けた。刻まれた名前は5029人になった。
福田慎太郎さん(50)=同市灘区=は震災の約10カ月後、仮設住宅から修復したマンションに戻った直後に母サツエさん=当時(51)=を病気で亡くした。
この日は、親戚の子どもらとともに4人で訪れ、「母親は銘板が大層やなと照れるかもしれないけど、迷惑ばかり掛けていたので少しは親孝行できたかなと思う。ありがとうと言ってもらえるかな」と手を合わせた。
芦屋市の自宅の下敷きになり亡くなった母娘や、神戸・長田の追悼行事で実行委員長として尽力した男性らの銘板も追加された。
モニュメントは2000年1月に完成し、今回を含めて22回、銘板を追加。当初は神戸市民と市内の犠牲者が対象だったが、市外の犠牲者や震災が遠因で亡くなった人、復興や追悼行事に貢献した人らも対象としている。(藤井伸哉)