祝い事の菰樽、年末に向け製造大忙し 尼崎の老舗

2021/12/21 22:19

職人の手で仕上げられた菰樽=21日午前、尼崎市の岸本吉二商店

 新春の鏡開きや祝い事で使われる菰樽(こもだる)。兵庫県尼崎市にある老舗メーカー「岸本吉二商店」では、年末に向けて製造が終盤を迎えている。作業場では、職人が杉でできた樽に来年の干支「寅」が描かれた菰を巻くなど忙しく動き回っていた。 関連ニュース アウトドアに強い味方!電源・ガス不要の「ビールサーバー」を試してみた 200種以上のクラフトビール楽しめるサービスも 国内で数社のみ製造、コロナ禍光る中小企業の技 PCR検査で活躍「多孔質プラスチック」 「安室ちゃんは救世主」一大ブームのブーツ、被災の街甦らせる

 菰樽は江戸時代、日本酒を船で運ぶ際に樽を保護するために作られた。灘五郷などの酒どころに近い尼崎では、農家の冬の仕事として菰樽作りが発展したとされるが、現在、全国で3社ほどしか手がけていない。同商店では全国各地に出荷しているほか、最近は海外からの注文も増えている。
 岸本敏裕社長(60)は「来年こそはコロナ禍が落ち着き、イベントや祝いの場で人が集える年になってほしい」と話した。(斎藤雅志)

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