「阪神間モダニズム」の室内楽コンサート 来年1月8日、芦屋ルナ・ホールで

2021/12/24 18:50

チェリスト、林裕さん

 大正から昭和初期に花開いた兵庫県の阪神間モダニズムを代表する作曲家の一人で、神戸市出身の大澤壽人の室内楽作品を演奏するコンサートが来年1月8日、芦屋市民センター「ルナ・ホール」で開かれる。大澤作品の公演は珍しく、日本を代表するチェリストの一人、林裕さん(西宮市在住)らが出演する。(網 麻子) 関連ニュース タイガース、甲子園開幕に快勝 球団史上初の連覇懸け、大声援のファンら期待「先発陣は安定」「味ある試合見せて」 アレンパ任せた! 淡路島コンビ躍動、近本外野手先制打 村上投手も無失点 タイガース、甲子園初戦は白星  宝塚歌劇団、本拠地・宝塚大劇場での新人公演再開へ 8月に雪組「ベルサイユのばら」

 大澤は1906年生まれ。幼少期から「深江文化村」に集まる外国人音楽家から直接、ピアノを学んだ。関西学院中学部を経て同高等商業学部を卒業後に渡米し、作曲の才能を開花させた。フランスでも学び36年に帰国。ラジオや映画、宝塚歌劇団の音楽など幅広い分野で活躍し、神戸女学院の教壇にも立ったが、53年に47歳で急逝した。作曲、編曲合わせて作品千近くを残し、遺品資料は神戸女学院に寄贈された。
 今回はボストンで作曲した「チェロとピアノのためのソナタ」「ピアノ五重奏曲」の2曲を披露する。当時最先端だった四分音(半音の2分の1の音程)がちりばめられ、モダンで精緻な曲という。ピアノ五重奏曲の楽譜は神戸女学院から借り受けた。「チェロ-」は、専門家が戦前の楽譜を復活させた「校訂版」の初演となる。
 演奏する林さんは埋もれたチェロの曲を紹介する活動に取り組む。ピアノは京都を拠点に活躍する佐竹裕介さん。神戸在住のバイオリニスト、マウロ・イウラートさんらも出演する。
 芦屋市民センター音楽プロデューサーの佐谷記世さんは「モダンでありながら和的な要素もある、阪神間モダニズムを感じられる作品。大澤さんを知り、戦前の日本人の音楽を味わってほしい」と話す。
 演奏前に「天才作曲家 大澤壽人」(みすず書房)の著者、生島美紀子さんが、スライド付きで生涯や作品について解説する。午後3時開演。一般3500円(前売り3千円)、高校・大学・大学院生2千円、小中学生1500円。ルナ・ホールTEL0797・35・0700

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