登山家に人気の冬山、遭難事故は後絶たず 兵庫県内20年は114件7人が死亡
2021/12/28 18:02
積雪期の氷ノ山。冬山登山には十分な装備と経験が求められる=2012年2月、養父市の氷ノ山
冬山は多くの登山家に人気の一方で、兵庫県内外で遭難事故は後を絶たない。
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但馬の氷ノ山では1997年1月、山岳会に所属していた淡路、但馬地域の県職員ら5人が遭難し、数カ月後に遺体で見つかった。2007年3月には1人で入山した豊岡市の女性が遭難し、死亡。14年2月には和歌山から訪れた登山愛好家5人のうち男性1人が滑落し、亡くなった。
ほかにも六甲山系など県内各地で軽装備や計画不足で登山し、遭難する事案が相次ぐ。
兵庫県警によると、2020年に県内であった山岳遭難は114件。遭難者は145人で、7人が死亡した。半数が神戸・阪神間の「六甲山系」(57件・73人)で、氷ノ山などがある「県北部」は7件7人、雪彦山などがある「県南部」は50件65人だった。
兵庫県外では2013年11月、富山県の真砂岳で雪崩に巻き込まれ、兵庫県の女性1人を含むスキー客7人が亡くなる事故が発生。2017年にも栃木県のスキー場で雪崩事故が起き、8人が死亡した。
5月の大型連休には毎年全国で事故があり、今年5月には長野、岐阜両県にまたがる北アルプス槍ケ岳で吹雪などの悪天候により遭難した登山客3人が死亡している。(赤松沙和、前川茂之)