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子どもから大人まで、たき火に夢中で見入ってしまう=2021年11月上旬、神戸市灘区六甲山町、神戸市立自然の家
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子どもから大人まで、たき火に夢中で見入ってしまう=2021年11月上旬、神戸市灘区六甲山町、神戸市立自然の家
ギョーザを焼いて、温かくもてなしてくれた野宿部の勝間恒平部長=2021年11月上旬、神戸市灘区六甲山町、神戸市立自然の家
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ギョーザを焼いて、温かくもてなしてくれた野宿部の勝間恒平部長=2021年11月上旬、神戸市灘区六甲山町、神戸市立自然の家
たき火にくべる木を切る筆者=2021年11月上旬、神戸市灘区六甲山町、神戸市立自然の家
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たき火にくべる木を切る筆者=2021年11月上旬、神戸市灘区六甲山町、神戸市立自然の家

 たき火が熱い。中年に差し掛かった筆者にとって、心身を癒やす趣味として気になる存在に成長し、心の中で勝手に熱を帯びてきたのだ。しかし、むやみに木々を焼けば119番通報されかねない。安全な場所で、その道の達人に教えを請わねば。野宿部の皆さま、よろしくお願いします!!(小林伸哉)

 先輩方は神戸市灘区の摩耶山上でたき火をたしなむ。公認でキャンプファイアができる神戸市立自然の家が舞台だ。昨年11月上旬の土曜日、到着時には日が暮れて真っ暗。ぼんやり光る提灯(ちょうちん)を目印に落ち葉を踏みしめ、森の香りを吸い込みながら進んだ。

 「かちっかちっと、石で木くずに着火して…」。そんな脳内のシミュレーションに反し、既にメンバーはガンガン燃やして満喫していた。まずい。出遅れた。「どう着火するのですか」。焦って尋ねると、野宿部の勝間恒平部長(56)は「こだわらず自由に。ライターで火がつくなら、それでいいじゃないですか」とほほ笑んだ。

 「奥義を見せて!!」。子どもたちのリクエストに応え、勝間部長は口の前で、指を小さなひし形に囲むと、炎に強く空気を吹き込んだ。火吹き棒いらず。どっと火勢が増した。

 「道具をそろえなくても、工夫して面白くなる」が持論。キャンプ用の机も板や棒で手作りした。空き缶をアルコールランプにした参加者も。「夕方以降の何時に来ても、帰ってもええし。一人で静かに過ごすのもよし。自由です。まず一歩を踏み出しましょう」

 先輩方から次々と声がかかる。「ギョーザが焼けたよ」「チキンは鍋の中に」「フィッシュカレーもあります」…。当時はコロナの感染状況も落ち着いており、感染防止策を取りつつ、どんどん食べ物を勧めてくれる。ありがとうございます!!

 「七味いる?」「油忘れたから貸して」「ウインナーをどうぞ」。たき火は不思議だ。さらりと助け合える。名前を知らない間柄でも、昭和のご近所付き合いのようなコミュニケーションが即座に成立するのだ。

 「たき火さえあれば、何もいらない」と勝間部長はほれこむ。「見てるだけで幸せという人がたくさん。私もじーっと見てますわ」

 とはいえ、火を囲んでの会話も興味深い。ある男性は「人間は小さい。自然の中に身を置くと、生かされてるって感じますよ」としみじみ。登山用品の情報交換や子育て論、うまい飯の話が続いたかと思えば「何で『学校林道』なん?」と山の地名の由来に話題が及ぶ。

 夜が更け、静寂が訪れた。炎は揺らめき、色や形を変え続ける。木々がはぜ、煙の香りが立ち上る。体の奥底まで温めてくれる。

 なぜ火を燃やし切ると気持ちいいのか。野宿部で考え抜いた少女がいる。最後までやり遂げると「悔いもない」からだ。そう気づき、何事も一生懸命に取り組んで成長したという。

 筆者は「無心になれる」からたき火が好きだ。すっかりハマって、昨年12月に「摩耶山越冬隊」と銘打ったキャンプにも参加。重装備で朝までしのぎ、雪の結晶をデザインした記念バッジをもらった。少し誇らしい。

【野宿部(のじゅくぶ)】摩耶山を愛する市民ら主催の体験プログラム「マヤカツ」の一環で、2015年5月から活動して延べ500人以上が体験。参加費は1人1泊500円。テントなどは各自で持参して防寒対策は万全に。真冬は休みで4月から再開予定。開催日や予約方法などはホームページ「摩耶山ポータルサイト」で紹介。摩耶山再生の会TEL078・882・3580(monte702、火曜休み)

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