五輪の技、足裏アーチ改善で健康を 高橋尚子さんらの靴制作、名工の三村さん器具開発
2022/01/05 14:50
「リアーチ」を開発したミムラボの三村仁司さん(右)と息子の修司さん=加古川市東神吉町神吉、ミムラボ
五輪マラソン金メダリストの高橋尚子さんや野口みずきさんら多くのトップ選手の靴作りで知られ、厚生労働省の「現代の名工」にも選ばれた三村仁司さん(73)のシューズ工房「M.Lab(ミムラボ)」(兵庫県加古川市東神吉町)が、足で踏んで疲労を軽減する器具「Rearch(リアーチ)」を開発、発売した。独自で計測した約3千人分の足のデータに、一流選手らを支える知見を加え、血流の促進とともに、理想的な足裏の曲面(アーチ)作りなどをサポート。健康を足から後押しする。(伊丹昭史)
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足裏には土踏まずやその周辺に、縦と横と計三つのアーチがある。低すぎると着地の衝撃へのクッション性が弱まり、逆に高すぎても着地を受け止める面積が狭くなるので、疲れやすくなるという。
三村さんはこれまで靴作り以外にも、補強のテーピングなど、さまざまなアプローチで選手らを支えてきた。アーチの改善には昔ながらの竹踏みを薦めてきたが、足裏の痛みで継続が難しい人もおり、長男で専務取締役の修司さん(39)が靴底に使うスポンジ素材の新製品を提案した。
三村さんらの手やミムラボの計測器で測ってきた足の形状データから傾向を解析、検証を重ね、竹踏みでは効果がない横のアーチにも作用する製品に仕上げた。フィット感なども追求。A4判より小さく、80グラムと軽いので日常的に使える。1回3~5分程度踏むのがお薦めという。
三村さんは「歩くだけで足には体重の約2倍の負荷がかかる。最近はアーチの低い人が多く、効果を実感しやすいのでは」。修司さんも「歯磨き中などでも気楽に使える。ウオーキングなどを始めるきっかけになれば」と話す。
赤と黄色の2種類で4290円。ミムラボのホームページなどから購入できる。