就業体験後の正規雇用、県が企業に助成 Uターンなど促し氷河期世代支援へ

2022/01/31 09:08

兵庫県庁=神戸市中央区下山手通5

 兵庫県から県外への人口流出が課題となる中、県は2022年度、首都圏在住者や就職氷河期世代とされる40代前後の人に就業を体験できる期間を提供後、正規雇用した企業を対象に助成制度を創設する。UIJターンなどの県内回帰を促し、非正規雇用など不安定な状況で働く氷河期世代を支援。企業の人手不足解消も狙う。県によると、同様の制度は全国的に珍しいという。 関連ニュース 新卒だと手取り15万円以下も!?臨床検査技師の収入事情 夜勤もオンコールもあって責任重いのに…待遇に悩みも 正社員化押し付けないで 社会と距離置く氷河期世代 就労以外の支援も 私大の地方受験は西高東低、関西がトップ3を独占 1位の大学は「33都市、56会場」担当者「関東とは危機意識が違う」


 兵庫は21年、転出者が転入者を上回る転出超過が日本人に限ると6220人と47都道府県で最多。特に首都圏1都3県への転出超過が計5521人と目立つ。
 また、正規雇用を希望しながら非正規雇用で働く就職氷河期世代は県内に約2万人いるとみられ、短期で離職を繰り返す人も多い。
 助成の対象は県内の事業所。関東地方、山梨県の1都7県の在住者と、36~51歳の氷河期世代を数日から1カ月程度の体験期間後、正規に雇用すれば、助成を受けられる。新型コロナウイルス禍を踏まえ、オンラインでの体験も認める。
 助成は旅費や引っ越し代、再訓練の経費に必要な額を想定。県は人材を求める事業者の登録や求職者を募り、500人の体験を目指す。「採用助成付きおためし企業体験の支援」と銘打ち、22年度当初予算案に約2800万円を計上する。
 県雇用就業室は「助成金というインセンティブ(動機付け)を設けることで企業の採用意欲を高めたい」と期待する。(大島光貴)

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