「言動で市職員が威圧され、業務遂行妨げられた」 姫路市が男性市議を刑事告訴

2022/02/10 21:10

姫路市役所=姫路市安田4

 兵庫県姫路市白浜地域の公共事業を巡り、同市議会の松岡広幸市議(55)が市職員に不当要求行為を繰り返したとされる問題で、市は10日、威力業務妨害の疑いで姫路署に告訴状を提出し、受理された。市は会見で「言動で市職員が威圧され、業務の平穏な遂行が妨げられた」と主張した。 関連ニュース 姫路市議「本会議でつるし上げて、クチュクチュに言うてもたる」発言 市が不当要求に認定 姫路市に刑事告発要求へ 市会最終日に決議案採決 松岡市議の不当要求問題 「市場移転へやむなく」 姫路・白浜の事業不当要求受け入れ、歴代の姫路副市長が証言

 市によると、松岡市議は2019年5月、白浜地域への移転が予定される市中央卸売市場の実施設計委託を巡り、入札公告を取り下げるよう当時の産業局長に電話で要求。地元対応が不十分とし、「中止できないなら国に補助金を止めてもらう」と強く伝えた。市は翌日、公告を取り下げた。
 また同月、市場移転に伴う同地域の公園整備で、複合遊具の設置事業に応募した業者の提案書を閲覧させるよう要求。同11月には当時の副市長らに、決定した業者の提案内容に自身の要望を反映させることも求めた。市は要望に応じて仕様を変更するなどし、利用開始は当初予定から約5カ月遅れた。
 一連の問題で、市議会は松岡市議への辞職勧告を2度決議したが法的拘束力はなく、同市議は辞職を拒否。21年12月には市会本会議で市に刑事告発を求める決議案も可決された。
 不当要求行為に関し、松岡市議はこれまでの神戸新聞の取材に「違法な行いや間違ったことをしたつもりはない」などとしている。

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