特別天然記念物ニホンカモシカ 兵庫で初確認「どこからきたのか…」
2022/02/16 15:35
木の葉などを食べるニホンカモシカ=猪名川町内
兵庫県内で未確認だった国の特別天然記念物「ニホンカモシカ」が同県猪名川町内に生息していることが分かった。人里近くの急斜面にいた体長1・3メートルほどの1頭を望遠レンズで撮影した。県自然環境課は「どこから移ってきたのか、はっきりしたことは分からない」としている。
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ニホンカモシカはウシ科の日本固有種で、雄雌共に頭部に十数センチの角があり、黒褐色や灰褐色の体毛をしている。成獣の体重は約40キロ。東日本や四国、九州などの主に険しい山岳地帯に生息するが兵庫県では確認例がなく、京都府は最新版のレッドリストで「絶滅寸前種」に指定している。
猪名川町では昨年12月から住民による目撃情報が相次ぎ、町教育委員会が同月14日に1頭の生息を確認した。雄か雌かは分からず、子どもとみられる。保護のために詳しい生息場所は公表しないという。
草や木の葉を食べる姿を撮影すると、シャッター音に反応してじっとこちらを見つめたが、しばらくして再び食事を始めた。
ニホンカモシカ4頭を神戸市立王子動物園と共同飼育している神戸市立森林植物園の岡本佳菜子副園長(37)は「本来は山深い所で暮らしている動物。今は静かに見守ってほしい」と話した。(斎藤雅志)